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2016年7月10日 (日)

「ヴェネツィアの休日~協奏曲とシンフォニア」:踊るリュートと姿なきヴァイオリン

160710
演奏:ベルリン古楽アカデミー
会場:トッパンホール
2016年6月27日

このグループのコンサートは4回目。しかもLFJでの来日は除いてだ。もっとも、メンバーの構成がその時によって違ったり、コンミ(マ)スもまたG・カルヴァイトの時とミドリ・ザイラーの時がある。(今回はカルヴァイト)

今回の来日では二種のプログラムがあり、私はバッハ父子がテーマの方はパスした。かなり古典派寄りで守備範囲から外れるからである。もう一つはヴィヴァルディを中心にしたイタリアバロックだったが、正直あまり期待してなかった。
というのも少し前の同じタイトルのCDが今イチだったからである。

だが、実際に生で聞いてみると全く違った。
オーボエ独奏が多いプログラムだったが、そのソリストはクセニア・レフラーという金髪のおねーさん。これが神技的オーボエを吹きまくったのであった。マルチェッロの曲はもちろんだが赤毛司祭のオーボエ協奏曲も拍手喝采である。

またヴィヴァルディの二つのヴァイオリンのための協奏曲では、左右に分かれた二人のソリストが激越に弾きまくり、双方向からの攻撃がステレオ効果をもたらす。しかも曲自体が左右で微妙にずれたように作られているので、なんだか頭のど真ん中でギコギコとすり合っているような気分になるのだった。
以前も思ったことだが、過激派はイタリアだけに非ず。ドイツも忘れちゃいかんのであった

その他、テッサリーニは少し後の世代ということで古典派っぽいところあり。人数少な目の編成で演奏されたアルビノーニのソナタは明るい印象。

もう一人、演奏者で異彩を放ってたのはリュートのリー・サンタナである。この人はルネサンス曲とかトラッド・フォークの中間あたりの録音を出していたはずだが、このような正統的アンサンブルに参加するとは思わなかった。(CDでは他の奏者が担当)
この人がまたバロックギターも含めてなかなか面白い&巧みな演奏をしてた。
特にアンコールの2曲目のヴィヴァルディのチャッコーナでは、本演奏の時よりも舞曲度をアップさせ、民俗音楽っぽさを爆発させていた。

なお、アンコールではカルヴァイト氏も姿をくらまし、会場のいずこからか音だけ聞こえてくるという芸当(^^♪を行なった。(種明かしはこちら

トッパンホールは久し振りに来た。以前は、レオンハルトのソロ・コンサートとか年に二・三度は来ていたんだけど……。中ぐらいのホールとしては、上野の石橋メモリアルと共に古楽アンサンブル向きの音響だと思うので、ぜひもっと古楽系をやってほしい。

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