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2016年7月27日 (水)

「スポットライト 世紀のスクープ」:正統派ジャーナリズムを見よ!

160727
監督:トム・マッカーシー
出演:マーク・ラファロ、マイケル・キートン
米国2015年

カトリックの聖職者による子どもの虐待問題を暴いた新聞のジャーナリストたちを描く。先日のアカデミー賞では作品賞(と脚本賞)を取って話題になった。極めて地味な作りなので、もしアカデミー賞を取らなかったら、日本公開されなかったかも。

見て意外だったのは、あくまでも虐待事件そのものではなく、記者の地道な取材についての描写が中心だったことである。スキャンダラスな所とか派手な表現などは一切ない。
さらにエキセントリックな人物はほとんど登場せず、ほとんどが「普通」の人々である。
だからこそ却って、よほどの優秀な役者が揃ってないと難しい作品だろう。もちろんM・キートンを始め名優揃いなので、しっかりと出来上がっている。
ただ、積極的に褒めたたえたいかというと……うーむ、あまりそういう気にはなれない。正統的過ぎるかなあ。

それから、日本だと教会の権威の大きさというのがよく分からないのが弱点である。その秘密を暴くということの困難さもだ。
教会が頻発する事件を組織ぐるみで隠蔽を図ったというのも大きい。いかなる組織もやはり腐敗を免れないものなのだろうか。

監督は『扉をたたく人』の人だったのね。監督業よりも脚本家としての方が評価されているみたいだ。この作品も別の人が演出やったらどうなったろうか。

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