「シチズンフォー スノーデンの暴露」:ドキュメンタリーの顏
「あなたは監視されている」というのが、別に煽り文句ではなく現実である ということを暴露したその経緯を、逐一記録したドキュメンタリーである。
「日本では全く報道されなかったんで知らなかった」というのをネットで見かけたが、ちゃんと報道されてたぞ(ーー;)
過去に作った作品のため米国へ帰国もままならないドキュメンタリー監督の元へ、暗号メールで接触してきた謎の人物がいた。彼女は英国のジャーナリストと共に香港へ会いに行く。その内部告発者がエドワード・スノーデンであった。
ホテルの一室にこもり、彼は働いていたNSAで行なわれている国民の監視を詳細に語り始める。
国民全員の監視なんてことが可能なのか(?_?)と疑問に思ってしまうが、説明を聞くと実際になるほどと思う。大手のIT企業から情報を貰い、さらには他国の政府(特に英国は貢献度高し。日本は?)も協力しているという。
そしてその告発は遂にTVや新聞といったマスメディアに流される--。
と書くと、ハラハラドキドキみたいだが、スノーデン本人が登場するまではややタルい。彼は明晰な二枚目で、理路整然と話す。実に映像向きである。
全てを覚悟して告発する……はずだったが、あっという間に香港の居場所がばれて出国にも困ってしまい、隠れるようにホテルから脱出する羽目に。予想しなかったのかい(+o+)と突っ込みたくなる。
やがてマスメディアの表に立っていたジャーナリストにもトラブルが起こり、監督にも尾行が付くなど怪しい雲行きとなる。また英国政府から恫喝に近い警告も来る。
映画の最後には責任者としてオバマを指弾する。よくこんなのが作れたもんだ。さすがHBO製作である。おまけにアカデミー賞も取っちゃったのもすごい。
ドキュメンタリーとしての構成はどうかと思うが、題材がビックリなんで欠点を吹き飛ばしているようだ。
それと、『カルテル・ランド』の時も思ったが、こういう密着ドキュメンタリーの場合は対象となる人物が「アップに耐える顔」かどうかというのはかなり重要のようだ。
『カルテル~』の医師や、このスノーデンもそうである。
これからはドキュメンタリーを見る時はその点に気をつけて見ることにしよう。
ところで、「IP電話は受話器取ってなくても盗聴される」って本当かい
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