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2016年8月 2日 (火)

「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」:あなたの知らないアイヒマン裁判について、こっそりお教えしよう

160802
監督:ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
出演:マーティン・フリーマン、アンソニー・ラパリア
イギリス2015年

かのハンナ・アーレントが別室からテレビ画面越しに裁判を傍聴し、「悪の凡庸さ」について考察した、その歴史的な映像の内幕である。ほとんど実録再現ドラマと言っていいぐらいだ。
言い換えれば、なんだか事実を羅列しただけで終わってしまったような印象が強い。

米国の若手プロデューサーがアイヒマン裁判のTV放映権を獲得し、赤狩りで干されていた優秀なドキュメンタリー監督を使って撮影しようと試みる。(もちろん二人ともユダヤ系)
ホームグラウンドではないエルサレムにはるばる行って、裁判所に機材を持ち込まなければならない。
当地のスタッフの中には収容所にいた者もいて、撮影中にパニック状態にtyphoon また監督は監督でアイヒマンの表情を捉えることにこだわり過ぎて「決定的瞬間」を逃す、など波乱含みなのであった。
加えて「裏番組」にはキューバ危機dangerやらガガーリンの宇宙飛行などもあり、視聴率競争も危うい。

とはいっても、エンタテインメントのようなハラハラドキドキな事件が勃発するわけでもなく、無理やり盛り上げようとする気配もあり。やはり再現ドラマっぽくなってしまうのだった。
さらに実際のドキュメンタリー映像がかなり出てくるので、そっちが強力過ぎて負けていたような--。
それから監督のアイヒマンへのこだわりが強調されている割には、なぜ彼がそう考えたのかは説明されていないので終始「?」印が付きまとった。なんだか「ヤツにこだわったのはアーレントだけじゃないわい」と言いたいのかしらんと勘繰っちゃったりして。

監督役のA・ラパリアの演技のみ光る。M・フリーマンのプロデューサーより彼の方が主役なんじゃないの(?_?)
音楽が大げさでうるさかったのもマイナス点。


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