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2016年8月20日 (土)

「帰ってきたヒトラー」:我が総統

160820
監督:ダーヴィト・ヴネント
出演:オリヴァー・マスッチ
ドイツ2015年

ヒトラーが現代にやってきたthunder全メディアで大人気を博す……という誰でも考え付きそうでいながら、今まで誰もやらなかったアイディアを映画化。
てっきりドタバタした風刺の入ったコメディかと思って見たら、一発のネタだけで持たせるというようなものではなく、よくできている作品だった。

なぜか現代ドイツにタイムスリップした(ここら辺の説明は全くなし)ヒトラー総統、彼を物真似コメディアンと勘違いしたTVディレクター志望の若者に拾われる。TV局に新企画として売り込もうと考えた若者は、まず彼を素材に売り込み用の映像を撮り始める。

ここで意外だったのが、この前半部分がM・ムーア風の突撃ドキュメンタリーとなっていることである。つまり、ヒトラーの扮装をした役者が現実の市民に意見を聞いて回るのだ。さらに、どの場面が実際のドキュメンタリーなのか市民に扮した役者が答えているのか、見ててよく分からない(@_@;)

顏にボカシが入っている人がいる場面は現実だろう。ファストフード(?)のカウンターにいるお姉さんは役者か。それからレストランのテーブルで差別的な発言をしてるオヤヂ達の場面もフィクションかな。でも、ああいうこと言う中高年男性はどこの国にでもいそうだ。
バイロイトで似顔絵描くのは実際にやってるようだ。「よりによってバイロイトでこんなことをするとはannoy」という男性は本当に怒ってる違いない。(しかし、あの似顔絵ひどすぎ……。あれで金を取ったのか(^o^;) 本物の総統だったらもっと上手いんでは?)
と、市井の人々の「ヒトラー?いいんじゃねok」という反応を見ると、「ああ、ドイツも日本とあんまり変わらないなあ)^o^(ホッ」などと却って安心したりして。

若者は視聴率競争で落ち目のTV局に売り込んで採用。総統は衝撃的デビューを飾るのであった。ここら辺に登場するトークショーとかバラエティとか実際にドイツで放送されている番組のパロディなのだろうか。(個人的には深夜TVにちらりと出てきた、男の尻を叩いている番組が気になった)

後半は総統が本を書いてベストセラーになり、さらに映画化される。その映画の内容はまさに「帰ってきたヒトラー」であり、冒頭の場面が同じように再現されている--というメタ映画の構造になっているのだった。
ここで、前半の疑似ドキュメンタリーの効果が効いてきて、ここの後半も何やら虚実入り混じり、何が虚構なのか(映画内で)判別しがたくなってくる。ここの入れ子状態はとてもうまい。見ていて、頭がクラクラする。
同時にTVコメディの軽いノリから、後半は段々と笑えなくなってくるのだった。

ラストは極めて辛辣でシニカルに終わる。恐ろしい結末だ。しかし、現状を見るに全くあり得ないことではない、というのがなんともはや( -o-) sigh...

そもそも原作本がドイツでヒットしたもの。で、ラストは原作と違うとか。
総統役のオリヴァー・マスッチという人は素顔は明るい二枚目で、全く似ていないのが不思議である。長身なんで体格も違っているのだが。

大ブレイクした総統の人気が急下降してしまうのが、全く政治とは関係ない動物愛護ネタというのに納得しつつも笑ってしまった。
もう一つ、思い出すと笑ってしまうのが自称・過激派の菜食主義者。あのテロリストみたいなマスク被って野菜料理作っているのがおかしいfuji

あと、クリーンニング代(イスラム系のオバサンの)はどこから工面したの?

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