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2016年9月11日 (日)

「ブルックリン」:大西洋に掛ける二股

160911
監督:ジョン・クローリー
出演:シアーシャ・ローナン
アイルランド・イギリス・カナダ2015年

アカデミー賞の数部門にノミネートされて、日本でも評判がよかったので行ってみた。
アイルランドの田舎町に暮らす若い女性が、このままではロクな働き口もないということで、教会の斡旋で母と姉を残してニューヨークへ渡る。
そこで高級デパートの売り子となって働くが、どうも自信を持てない毎日が続く……。

時代が同じでニューヨークのデパート、ということで『キャロル』と似た所がある。さりげない衣装に力の入れ具合とかも。

やがて葬式があっていったん帰郷することになる。その頃には、ヒロインはもう有能な働き手として自信をつけ、洗練されたファッションをまとっている。もはや故郷は狭い田舎町に過ぎない。

そこに現われたるはエエお屋敷の息子shine かつては彼女を鼻にも引っかけなかったが今や積極的にアプローチしてくる。二枚目で屋敷付き庭付き、親は他所へ引っ越す予定、という超優良物件goodである。
ニューヨークに彼氏はいるが、心揺れるのであった。

身もふたもない言い方をすれば、二股愛ということになる。そこだけ見れば、ヒロインはずるいということになるが、ニューヨークでの変化などに描写を割いており、若者の成長譚としても見られる。

お屋敷の息子を選べば階層を上に昇ることができるし、ニューヨークのゴチャゴチャした街並みに比べ故郷の自然は美しい(海岸の描写に対比されている)。
しかし、無学なイタリア移民の息子とはいえ、働き者で誠実な青年も捨てがたい……って贅沢な悩みであるよ(~_~メ)

しかし、ニューヨークの彼氏はヒロインが帰郷する直前に結婚届を出していたのはヨカッタ。男の鋭い勘かthunder そうでなかったら、彼女はズルズルと故郷に残って結婚してしまったに違いない。いくら待っていても故郷から戻ってこないので、彼が金をためてアイルランドに渡って迎えに行った頃には子どもまで出来ていた(!o!)--という事態になっていただろう。

それから、雑貨屋のオバサンの言動に田舎の意地悪さと偏狭さを見るという意見があったが、本当に意地悪だったら本人に言ったりせずに、お屋敷の母親に直接ご注進するものだ。
「息子さんが付き合ってるあの娘、とんだ食わせ物みたいよ~)^o^(」なんちって。

個人的にもう少し、若い女性の生き方で悩む的な部分が多かったらよかったと思った。いくら評判が良くても自分のガラに合わんものを見てしまったのは失敗だったようだ。

ヒロイン役は『つぐない』の子役だったのか。立派な女優さんになりました。

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