「イザベル・ファウスト&クリスティアン・ベザイデンホウト オール・バッハ・プログラム」:完成形バッハ
会場:彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
2016年10月10日
日本で名前の覚えにくい外国人演奏家上位に輝くC・ベザイデンホウト(カタカナ表記も諸説あるらしい)、これまでの来日はフォルトピアノばかりだったが、この度チェンバロを弾くということでヴァイオリンのイザベル・ファウストと共に来日公演をやるという。こりゃ行かねばなるまい、ということで休日の埼玉を選んだ。
プログラムはヴァイオリンとチェンバロのソナタから1・3・6番と、その合間にそれぞれのソロ演奏で無伴奏ヴァイオリン2番、トッカータ(BWV913)が入るというもの。
ファウストは元々モダンの人とのことだが、近年オリジナル楽器を入手して本格的に古楽演奏を実践しているそうな。彼女の弦の音はスッキリとして夾雑物がなく劇場を伸びやかに満たした。本人も弾くのがなんとなく嬉しそう
しかし、楽章ごとに(緩急ごと?)弓を交互に変えるというのは初めて見た(!o!) 作品の時代によって楽器を変えるというのは結構あるが……。
一方、ベザイデンホウトはファウストと共演している時は彼女を支えて盛り立てるような印象。だが、独奏のトッカータとなると何やらリラックスしてノリのよい演奏だった。えっトッカータってこんな前向きな曲だったっけ、録音買ってみよう(^o^)丿と思ったほどだ。
全体的に、名手による真摯なバッハの理想形が聞けたと言ってよいだろう。
が、しかし、しかしである。このように美しく完成したバッハを聞いてもなお(-_-;)……私個人が古楽演奏に求めるのは、歪んで不均衡なゴツゴツした限りなくノイズに近くブチ壊れたり小汚かったりする音なのである。
仕方ないのよ、だってひねくれ者だもん(^^ゞ
ところで、ただ今「さいたまトリエンナーレ」というのをやっているらしい。その展示がさいたま劇場でもあった。演劇のチラシを漁りに地下へ降りて行ったら、ガラスに囲まれた中庭みたいな場所に巨大な赤いビニールの花があったのだ。しかも空気を送っているらしく間隔を置いてフヨ~ンと動く。眺めているだけでも面白い。
実は同じ作者の作品がもう一つあったらしいのだが、どこにあるのか全く分からなかった。もうちょっと派手に掲示してくれい。
←上から見下ろしたところ
終演後、薄暗くなってきたら花芯の部分がボーッと光を放っていた。夜になったらまた別の印象を与えるに違いない。
ただ、ここでの展示はこの作者の2点しかない。スペースあるのにねえ……。これだけのためにわざわざ与野本町まで来るのはちとキビシイ。
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