« 「ハイ・ライズ」:中層階の男 | トップページ | 「テレマン in パリ」:テレマン先生旅日記 »

2016年10月 8日 (土)

バッハ・コレギウム・ジャパン第119回定期演奏会:ウサ耳ロバ耳、人間の耳

161008
世俗カンタータ・シリーズ8
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2016年9月23日

今回は世俗カンタータ2曲。ステージ上にはチェンバロ2台が置いてあり、マサアキ氏は指揮しながら弾いていた。

前半の「さあ、晴れやかなトランペットの高らかな音よ」は過去のカンタータを改変して10年ぐらい後にザクセン選帝侯をヨイショするために演奏したという。
しかもどこで使われれるのか不明な行進曲が付いていて、最初にこれを演奏してる最中にマサアキ氏(とコーラス)がステージに出てくるという次第。(その後に、マイク使って解説あり)

2曲目のレチの背後のチェンバロが波の音を模していたり、5曲目の後のリトルネッロではステージの左端からトランペット、右端からオーボエが互いに吹き交わして思わぬステレオ効果が発生して面白かった。

4人のソリストにそれぞれ均等に見せ場(聞かせどころ)があり、その意味でも気配りをきかせた作品と言えるかもしれない。

「急げ、渦巻く風よ」はギリシャ神話を元にしたストーリーで喜劇的に展開する。無謀にも音楽の神アポロンに音楽合戦を挑む牧神パン。勝負か既に決まっているようなものだが、それを乗せる神がいれば、パンを応援してしまう人間(ミダス王)もいて--とドタバタする。

前半と違い、ソリストたちは色とりどりのシャツを着て登場。特にパン役のD・ヴェルナーの赤いシャツが異様に目にしみた(^O^;)
彼の役柄は桁違いの相手に身の程知らずで増長し玉砕してしまう、という粗忽な役回りなので、もう少し「根拠なき自信満々flair」みたいなのを押し出して欲しかった。そのアリアは器楽部分がヴァイオリンのみという手抜きdownっぽい作りになっているが、決してつまらない曲ではないので、あわよくば聴衆の耳を奪ってやるぜい<`ヘ´>ぐらいの勢いでよかったのではないか。

ジョアン・ランはいかなるキャラクターもそつなくこなしていた。初登場のニコラス・パン(ヒスパニック系?)は声量あれど、部分的に個性強すぎ(?)の感あり。
もう一人のバスでフェーブス(アポロン)役のC・イムラーも初登場だっけ(^^?) かれの歌った5番のアリアは確かに名曲である。声楽部分だけでなく、器楽パートもヴァイオリンが細い糸のように余韻を引っ張る部分など繊細で美しい。
しかも内容が美少年ヒュアキントスを愛でる歌で、何やら微かにエロチックなイメージが漂う。バッハ先生がこんな曲を書いてたなんて嬉し恥ずかしくってイヤンheart02などと思ってしまうのであった。

ミダス王がロバの耳にされてしまうエピソードに合わせて、ロビン・ブレイズがウサギの耳(の飾り)を持ってマサアキ氏の背後に忍び寄り頭に乗せようとする(マサアキ氏が髪振り乱して必死に指揮していたので結局失敗ng)、などというオマケもあって、会場が笑う中で終了したのであった。

マドゥフ氏を始めとするトランペット隊や他の笛部隊も快調だった。
今回のコンマスは寺神戸氏だったが、たまたまなのかな?

ギリシャ神話の本を幾つか見てみたが、このエピソードについては「パンの音楽は本当にひどかった」というのと、「結構聴衆にウケていてミダス王は正直な意見を言ったのに、アポロンが怒った」という両方の説が載っていた。
まあ、音楽に優劣はつけられないってことで(^_^;)
161008b_2

|

« 「ハイ・ライズ」:中層階の男 | トップページ | 「テレマン in パリ」:テレマン先生旅日記 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/82416/64317569

この記事へのトラックバック一覧です: バッハ・コレギウム・ジャパン第119回定期演奏会:ウサ耳ロバ耳、人間の耳:

« 「ハイ・ライズ」:中層階の男 | トップページ | 「テレマン in パリ」:テレマン先生旅日記 »