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2016年11月 6日 (日)

「ニュースの真相」:裏取り一秒、誤報一生

161106
監督:ジェームズ・ヴァンダービルト
出演:ケイト・ブランシェット、ロバート・レッドフォード
オーストラリア・米国2015年

2004年に米国で起こったブッシュ大統領軍歴詐称疑惑報道が実は誤報だった、という事件を映画化したもの。

CBSのニュース番組で決定的証拠となる文書を入手、裏取りをしてベテラン・ジャーナリストのダン・ラザーが報道するが、ネットで怪しいと炎上して騒ぎになる。

結果的にスタッフのほとんどはクビになってしまう。この騒動をケイト・ブランシェット扮するプロデューサーとロバート・レッドフォードのダン・ラザーを中心に描いている。結局のところ、最初のイチャモンで炎上した案件は言いがかりだったことが判明するのだが、もはや後の祭りであった。ただ、裏取りが不完全だったこともまた事実である。

原作はプロデューサーのメアリーが事件1年後に出した暴露本とのこと。主人公は彼女の方で、決して私は間違ってはいなかったという主張を貫いている。
実の父親に対し複雑な感情をもち、ダン・ラザーは彼女の父親代わりのような立場であった。幸福とは言えない家庭に育ち、強い意志を持ちながらも人間的な弱さをチラチラと見せるブランシェットの演技はやはりうまいの一言だ。
ついでながら、後ろから支えてくれるダンナさんもエエ人やな~。

クビになっても報道陣としての矜持は捨てぬ<`ヘ´>という強い意志を示す終盤に、スター二人の共演を見に来た中高年層(客席のほとんどを占めていた)は、感動の涙を流していたのであった。
確かに感動的だったが、当時の事件を直に知っていると「おお、あの背景はああだったのか」と、新鮮だったかも。
TVドラマ『ニュースルーム』第2シーズンはこの事件も参考にしていたのかな(^^?)

退役軍人でニュースのスタッフという役をデニス・クエイドが演じていた。久しぶりに見た気がする。彼も一時期、トップスターの一人だったのだが……。

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