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2017年1月

2017年1月29日 (日)

「インフェルノ」:地獄に仏か、はたまたラングドンか

170129
監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス
米国2016年

このシリーズ、原作は読んでいないけど映画の方は『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』と、ちゃんと見ていたのであった。

その度に「トンデモ」と感想書いているのだが、すっかり忘れてまた見に行ってしまう私は学習能力ゼロと言われても仕方ないであろう。
もちろん今作も間違いなくトンデモであったよ(@∀@)

色んなアクシデントが起こって、あまりにテンポが速く、様々な人物が出現しては消えてチャカチャカと進む(しかし、その割にラブシーンは長くてかったるい)。一応事件の説明はあったかもしれないのだが、よく分からない。単にこちらが理解できてないだけか。

そもそもウィルスばらまき騒動をたくらむ富豪の意図がよくわからん。人口減らしてどうするの? そんなことやったら社会のインフラが消滅して一気に原始時代に逆戻りではないか。
あと、WHOがまるで世界の保健衛生を守るためには先頭も辞さずみたいな武闘派組織になっているのには笑った。
そのWHOのアフリカ系職員の立場が不明。なんか別の組織に属してたっけ?
富豪の依頼を引き受ける企業(組織?)のインド系のボスは、大勢の部下がいるのになんで一人で現れるの?

主人公ラングドンは「宗教象徴学」の教授としてイタリア史についてウンチクを語るが、ほとんどイタリア語が理解できないというのはいかがなものか。幾らなんでもラテン語はできるんだろうがな。
ダンテのデスマスクを素手でひっつかんで持ち逃げ--って、あれはイタリアの国宝級のものではないのか? イタリア人、怒るんじゃないの。
まあ、どうでもいいことばかりですが)^o^(

かくなる上は、ラングドン教授にはぜひ日本に来て三種の神器を持って暴れて欲しいもんである。なに(^^?)日本ではキリスト教ネタがないって?
いや、青森にキリストの墓があるではないか しかし、そうなると頭にすぐ浮かんでしまうのは「みなでぱらいそさいくだ」という諸星大二郎の「稗田礼二郎シリーズ」の名場面なのであった……。
彼が日本で活躍する余地はなさそうである。


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2017年1月19日 (木)

2016年度日本インターネット映画大賞に投票

恒例です。今年も投票させていただきます。ルールが若干変わったようです。

[作品賞投票ルール(抄)]
■選出作品は3作品以上5作品まで
■選出作品は2015年1月~2016年12月公開作品
■1回の鑑賞料金(通常、3D作品、4DX作品、字幕、オムニバス等)で1作品
■持ち点合計は15点
■順位で決める場合は1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点を基礎点
■作品数で選ぶ場合は3作品各5点、4作品各3.75点、5作品各3点
■自由に点数を付ける場合は1点単位(小数点は無効)とし1作品最大点数は10点まで可能
■各部門賞に投票できるのは個人のみ
■ニューフェイスブレイク賞は男優か女優個人のみ
■音楽賞は作品名で投票
■私(ユーザー名)が選ぶ○×賞は日本映画外国映画は問いません
■日本映画の作品賞もしくは外国映画の作品賞に3作品以上の投票を有効票
■以上のルール満たさない場合は賞の一部を無効
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外国映画部門

【作品賞】(3本以上5本まで) 作品数(順位を削除)で投票
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」3点
オマールの壁」3点
カルテル・ランド」3点
帰ってきたヒトラー」3点
ファインディング・ドリー」3点
【コメント】
この年はドキュメンタリーの秀作が色々と公開された。「カルテル・ランド」はその中から選んだ。「シビル・ウォー」はこれを元ネタにしているのではないかと思っちゃうほどの過激な内容である。事実は映画より奇なりなのは確か。

【監督賞】          
   [ハニ・アブ・アサド](「オマールの壁」)
【コメント】
ブログにも書いたが未だに資金回収できてない、ということで応援の意味もこめて選んだ。

【最優秀男優賞】
   [マーク・ライランス](「ブリッジ・オブ・スパイ」)
【コメント】
色々と他の役者を考えたが、やはりオスカー受賞というだけはある。

【最優秀女優賞】
   [マギー・スミス](「ミス・シェパードをお手本に」)
【コメント】
あまりの強烈さに圧倒された。頭がクラクラする~(@_@;)

【ニューフェイスブレイク賞】
   [オリヴァー・マスッチ](「帰ってきたヒトラー」)
【コメント】
例年、子役は除外。素顔はヒトラー本人に似ていないが、とにかく笑わせる。

【音楽賞】
  「ヒトラーの忘れもの」
【コメント】
大げさなオーケストレーションでなくて、心にしみる。


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【私が選ぶ衝撃の場面賞】
   「コロニア
【コメント】
突然現れるD・ブリュールの裸エ●ロン。目が点(・.・;)になった。私個人としては「エマが脱がないなら代わりに僕が脱ぐ」説を取りたい。

【私が選ぶ最優秀悪役賞】
   [翼竜(イナズマドカン)] (「アーロと少年」)
【コメント】
最近の映画は生ぬるい悪役が多くて詰まらなかったが、これはお子様向きアニメとは信じられない凶悪さ(!o!)見事、悪役賞を獲得した。

【私が選ぶ最優秀動物賞】
   [猫] (「幸せなひとりぼっち」)
【コメント】
確か名前は付けられてなかったはず……。最後に主人公のお腹に乗っかっているのがおかしい。次点は「五日物語」のノミ。

【私が選ぶ最優秀姐御賞】
   [ヘレン・ミレン] (「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」)
【コメント】
泣く子も黙るたあ彼女のことだいっ--と言いたくなる。

【私が選ぶ最凶邦題賞】
  「ヒトラーの忘れもの」
【コメント】
最凶というほどではないが、内容を裏切るこのホンワカ感があるタイトルを何とかしてほしい。

【私が選ぶちゃぶ台ひっくり返し賞】
  「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」
【コメント】
この賞は、見終ってあまりの内容に思わず「なんじゃ、こりゃ~。観客をなめとんのか!」(ノ-o-)ノ ~┻━┻ガシャーン と、ちゃぶ台をひっくり返したくなる気分になる映画に与えられる栄光ある賞である。(あくまでも個人的見解です)
なお次点は「インフェルノ」。この両作に出演しているフェリシティ・ジョーンズ、今後も期待であろう。

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 この内容(以上の投票を含む)をWEBに転載することに同意する。
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2017年1月15日 (日)

「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」:書いても書いてもまだ足らぬ

170115
監督:マイケル・グランデージ
出演:コリン・ファース、ジュード・ロウ
イギリス2015年

フィッツジェラルドやヘミングウェイを担当した編集者が主人公--で、タイトルから推測すると、彼の功績を描いているのかと思ってしまう。しかし、見てみると「ベテラン編集者が見た天才作家の真実」みたいな物語である。もちろん実話ベースだ。ちなみに原題も「天才」である。

その天才の名はトマス・ウルフ。主人公のパーキンズは彼の分厚い持ち込み原稿を受け取り、その才能を確信し、添削校正(とにかく長いんで)して世に送り出して成功する。
若い作家と彼は疑似親子のような関係になり、自宅に呼んで食事したりするが、天才の常として奇矯で人付き合いは悪く、傍若無人でズケズケものを言い、トラブルを呼ぶのであった。

そもそも原稿を持ち込んできたのは、ウルフの愛人バーンスタイン夫人なのだが、彼女の立場が今一つ分かりにくかった。演劇の衣装デザインをやっていて、彼女の夫とは別居中(?)、ウルフと同棲しているということか。しかも、パーキンズとウルフの仲の良さに嫉妬して狂言自殺を図るほど執着しているのだ。
ニコール・キッドマン扮する彼女はいささか亡霊っぽくて怖い(>y<;)、『ツィゴイネルワイゼン』の大谷直子を思い出した。

ウルフが主人公や「世間」と関係がぎくしゃくしていく経緯の描写に付き合っていると、この映画は事前に予想してた「感動系」では決してなく、シビアで重たく感じるのであった。
そのせいか寝ている人多数

既にその世界で評価を得ている人物が、特殊な背景を持つ若き天才を引き上げる--というのは、ある種の定番なのか。私は見ていないがほぼ同時期に公開された『奇蹟がくれた数式』も似ているようだ。

パーキンズは実際にいつも帽子をかぶっていたそうで、この映画でも職場どころか自宅、さらにパジャマ姿になってもかぶったままである(!o!) ベッドでもかぶってるんかしらなどと疑ってしまった。
それ故、彼が唯一帽子を脱ぐ場面は感動的なはずなのだが、むしろわざとらしく思えた。監督は芝居の演出をやっていたそうだが、一つのモノに象徴的な意味を与えて扱うのは舞台では有効でも、映画だとやり過ぎになるかも。

米国の国民的作家の話なのに、なぜか主人公の妻役のローラ・リニー以外は英国かオーストラリア出身というのはどうしたことよ(+o+)……と思ったら、そもそも英国製映画なんですね。
押しのジュード・ロウ、引きのコリン・ファースといった印象の二人の演技合戦は一見の価値はある。

ガイ・ピアースのフィッツジェラルドが、書き過ぎなウルフとは逆に「今日も一行も書けなかった(T_T)」「『ギャツビー』はほとんど売れなかった」などといつも情けなくボヤいているのには笑ってしまった。

ウルフの小説の一節は作中に出てくるが、どうもあまりに詩的というか装飾過剰過ぎて読みたいとは思えない。昔、英文学の授業で「小説の文体はヘミングウェイが登場して劇的に変わった」という話を聞いたのを思い出した。そういう端境期だったのだろうか。


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2017年1月10日 (火)

「歌声にのった少年」:ビザはなくとも歌えば英雄

170109
監督:ハニ・アブ・アサド
出演:タウフィーク・バルホーム、カイス・アタッラー、
パレスチナ2015年

2013年にエジプトのTV番組「アラブ・アイドル」(中東版「アメリカン・アイドル」)で、優勝して一躍ヒーローとなったのが、ガザ出身のパレスチナ青年ムハンマド・アッサーフ。彼の生い立ちを映画化したものである。事実80%、フィクション20%とのことで、かなり実話率は高い。

なんでこれを見に行く気になったかというと、監督を『オマールの壁』のハニ・アブ・アサドが担当しているからだ。

子ども時代、活発で頭が良くてガキ大将の姉と共にバンドを始める。婚礼などのイベントで演奏しながら日銭を稼ぐも、なんと姉が突然病気で亡くなってしまう。
一度は音楽をあきらめかけるが、成長してタクシー運転手をやりながら歌手を目指すのであった。

スカイプでオーディション番組に参加するも電力事情が悪くて停電で中断--なんて笑っちゃいかんが笑ってしまう。
意を決してビザを偽造してエジプトへ行き「アラブ・アイドル」に参加しようとするが、なんとチケット(応募券&整理券みたいな感じか)がないと入れなかった さあどーするよ。

……と、完全に立身出世物語のフォーマットを取っている。監督の過去作とは違って、のんびりとした演出・編集だ。依頼を受けて作ったんで作風も変えたということか。

実際にガザ出身の子どもを起用した子役たちは元気いっぱいで、見ているとこちらも活力を貰えるようだ。一方で、主人公が青年になってからのガザの撮影は当地にロケしたそうだが、ガレキだらけの街の光景に言葉を失う。

そんな状態だから主人公が優勝したというのは、パレスチナを鼓舞してエライ騒ぎになったらしい。
なぜか最後のステージ場面で、それまで俳優が演じていたのが突然ご本人にすり替わって登場(!o!) さらにものすごく熱狂する市民の姿も、実際にその時撮影された映像が使われているのだった。

感動的ではあるが、ここで当然疑問が浮かぶ。
最後にご本人がすり替わって登場するなら、むしろ最初から実物のムハンマド君を主役にして撮ればよかったんじゃないの(^^?)
ところが、本人はオーディションを受けたが合格しなかったらしい--ということはよほど演技が下手だったのかね。(劇中の歌も本人の吹替えではない)
ちょっと、このラストはビックリしてしまった。

伝記ものよりもアラブ歌謡愛好者に推奨。途中で歌われている歌の歌詞には字幕付けて欲しかった。当然、その場面に合わせて選曲されているはずだろうに。手抜きであるよ。

子ども時代にパーティーでバンド演奏している場面で、男たちは乱闘寸前みたいに歌って踊り狂っているのに、ヘジャブ姿の女たちはじっと片隅に座って無表情で聞いている光景が何度も出てきて、なんだか強く印象に残った。

ところで、公開に合わせた監督のインタビューを読んだら、なんと『オマールの壁』はまだ資金が回収できていないとのこと。
えーどうしてじゃっ(~_~メ) あんなに出来がいいのに~。
監督によると、どこでも客が入るのはハリウッド・エンタテインメントのような娯楽大作で、アート系劇場で公開されるような作品は採算が取れないらしい。寂しい話である。


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2017年1月 8日 (日)

「大貫妙子 Symphonic Concert 2016」

170108
会場:東京芸術劇場コンサートホール
2016年12月22日

大貫妙子がフルオーケストラと組んでコンサートを行なった。共演は東京ニューシティ管弦楽団、編曲・指揮は千住明である。

なんでも、このように同じ舞台に上げたオーケストラをバックにして歌うというのは、海外ではよくあることなのだが、日本ではほとんどない--というか、これが初めてだというのである。
ええっ(!o!)そうなんだー。知らなかったです。

もちろんオーケストラだけでなく、普段の公演でバックを務める林立夫などのメンバーも加わっていた。
千住明は「シュガーベイブの頃からのファン」でこれまでにも作曲・編曲で一緒に仕事をしたことがあるとのこと。

ター坊の名曲をつないで織り込んだ序曲によって開始。これは完全にフルオーケストラで演奏された。
その後は弦楽器だけになったりなど楽器の入れ替わりがあって続いた。前半はほとんどバンドも加わっていて、これまでのコンサートの豪華版といった趣である。ただ、クラシック系のせいかノリ自体はいささか重い。

後半は管弦楽に比重がかかってきて、かなりアレンジが変わった「ピーターラビットとわたし」を始め、華麗なサウンドが展開された。
極めつけは「グランプリ」 以前アルバムに録音したが、実際にナマで歌ったこと記憶がないという曲だそうな。私も持っているのはヴィニール盤なんで最近は全く耳にしてない。

元々この曲はミッシェル・ルグランぽい映画音楽風で(歌詞の内容も映画のシーンのよう)、ブラスの音が効果的に使われていたものだった。この日はフルオーケストラ+バンド全員による演奏は複雑に様々な要素が交錯し、まるで綱渡りのような緊張感をもたらしつつも、重いオーケストラのノリが却って幸いし重量感も生み出したという奇跡のような一瞬だった。
曲が終わった後、大貫妙子は思わず林立夫に「うまくいった?」と確認していたほどである。
この冒険的試みには思わず拍手を送ってしまう

アンコール「シャル・ウィ・ダンス」で終了。深い満足を得られたコンサートだった。
そもそも彼女はシンガーとしてはディーヴァ系ではないので、オーケストラとの共演だと埋もれがちである。そこにあえて挑戦した「攻め」の姿勢にはファンという点を差し引いても、つくづく感心した\(◎o◎)/!
それと、フェビアン・レザ・パネはピアノで終始巧みにサポート。さすがは東京芸大出身であ~る
3月にこの日のDVD+CDが出るそうなので、絶対に買うぞっと。

ところで、ター坊が千住明に「指揮者は一つのコンサート終わると5キロぐらい体重が減るんですって?」と話を振ると、彼は「それが、なぜか逆に太っちゃうんですよー」と答えて会場とオーケストラのメンバーは爆笑であった(^◇^)


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2017年1月 7日 (土)

「コロニア」:予想せぬ衝撃

170107
監督:フロリアン・ガレンベルガー
出演:エマ・ワトソン、ダニエル・ブリュール
ドイツ・ルクセンブルク・フランス2015年

チリに移住した元ナチスが作った、実在したカルト集団を題材にしたサスペンスである。そこでは軍事政権と結びつき銃器・化学兵器などを製造し、閉鎖的な施設内では暴力や少年虐待が横行していたという。

ドイツの航空会社で客室乗務員を務めるヒロインは、チリで社会運動にも関わるドイツ人カメラマンと付き合っている。ちょうど彼女がチリにいる時に軍事クーデターが勃発 恋人は逮捕されてしまうが、カルト集団の施設に送られたことを突き止める。
かくして、彼女はその施設へ潜入するのであった。

ショッキングな史実に基づいていて、映画の中でも暴力的な教団の内部が描かれているけど、どうも展開に今一つ説得力がない。恐らく脚本のせいだろう。
教祖役はスウェーデン版の『ミレニアム』に出ていたミカエル・ニクヴィストが演じているんが、怪物的であってもカリスマ的魅力がある人物には全く見えない。ちょっと演説したぐらいでみなが熱狂したりひれ伏したりするようには思えず、「教祖だから教祖なんだ」と納得するしかないのである。そういう描写が全く入ってないからだ。

それに終始ムスっとした表情でやって来て、つっけんどんに口上を述べるヒロインを教祖が受け入れるのも謎である。アヤシイのを承知で入れたのかと思ってたら、そういう訳でもなかった。
まあ、サスペンス場面ではハラハラはしたけれど、よくよく考えると登場人物たちが無鉄砲な行動をして突っ走るのが原因なのであった。無理やりハラハラさせんな<`ヘ´>

折角のエマ・ワトソン&ダニエル・ブリュールの組合せだというのに今一つ……どころか今五、今六……今十ぐらいに思ってしまった。

それよりも衝撃的だったのは、まだ事件が起こる前の二人がいちゃついている場面だ。なぜか突然、ブリュールの「裸○プロン」が出現するのである 

な、なぜに裸エ○ロン!(☆o◎;)

これには驚いた。
はい、そこの奥さん、他の映画なんて見てるどころじゃないよ。彼の出演映画は数あれど、裸エプ○ンが拝めるのはこの『コロニア』だけ! ファンなら絶対見なきゃソンソン。

推測するに「エマ、君が脱ぐなら僕も脱ごう」なんてことに勢いでなったのであろうか。だが、ラブシーンがあるというのにエマ・ワトソンの方はこれっぽっちも何一つかすりもせず見せないのだよ。
一体どうなっておる(-"-) これでは期待していたエマたんファンはガッカリであろう。それとも「エマが脱がないなら代わりに僕が脱ぐ」とダニエルが漢気を発揮したのかもしれない。

彼が達者な演技を見せる場面もあり。ということで、ダニエルのファンには猛プッシュで推薦したい一作である。
……えーと、なんの話だっけ(^^?)。

ちなみに教祖は逮捕されたものの、この教団は現在も存続中だそうだ。恐ろしい
エマたんは60年代スッチー姿よりひっつめ髪の方が似合っていたので、歴史物なんかが向いているんじゃないかな、なんて思いましたよ。

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2017年1月 5日 (木)

「木の器 クリスマスコンサート2016」:ちっこいサンタ出現

170105_2
演奏:広瀬奈緒ほか
会場:近江楽堂
2016年12月25日

毎年恒例の木の器主催のクリスマスコンサート、今回はいつになく盛況で近江楽堂はほぼ満杯状態であった。

テレマン、バッハ、ヴィヴァルディの作品からクリスマス関係、あるいはクリスマスに聞きたくなるようなアリアや器楽曲を集めたプログラムで、歌うは広瀬奈緒、リコーダー宇治川朝政、ヴァイオリン堀内由紀、チェロ懸田貴嗣、チェンバロ福間彩という顔ぶれである。

器楽曲はやはりテレマン、声楽曲はバッハが多く、その間隙にヴィヴァルディを配置、みたいな構成だった。理屈抜きのリラックスして非常に楽しめました。

会場の外にベビーカーに乗った小さな子がいて、誰のお子さんかしらんと疑問に思っていた。
毎年このクリスマスコンサートでは最後にサンタに扮した人が登場するのだが、なんと今年はそのお子ちゃま(とお父さん)がサンタだった(!o!) 広瀬女史の息子さんだそう(知らなかった)。出てきたらビックリして泣きそうになってしまい、会場の微笑みを誘っていた。

やはり恒例のプレゼント大会が行われ、クジを厳重にテープで留めすぎて開かないというアクシデントはあったが、無事にプレゼントが配られた。
やはり今年も私は当選しなかった。無念であ~る(T^T)

それから、宇治川氏は髪型を変えたようだが、なんだかお坊ちゃんぽくなってしまったですよ(^J^)


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2017年1月 4日 (水)

「ティエリー・トグルドーの憂鬱」:情に棹さし意地を通して地に働けず

170104
監督:ステファヌ・ブリゼ
出演:ヴァンサン・ランドン
フランス2015年

失業した中年エンジニアが主人公。邦題の通り見ているとウツになってくるような内容だ。

前半は職探しをする過程が描かれる。時間を費やして資格を取ったが役に立たず、就職セミナーでは自分の子どもぐらいに若い参加者から叩かれる。歳を食っていると融通も利かず、身につまされる(ーー;)
だが、一人息子には障害がありふさわしい学校にやるには金が必要だ。トレーラーハウスを売ろうとするが、見に来た男とはケンカしてしまう。

後半は、これまでのキャリアとは全く無縁なスーパーの監視員になっている。万引きをする貧しい老人、細工して小金を稼ごうとする店員などが出現して、さらに主人公と映画の観客をウツに陥れるのだった。

全体の作りは全くもって劇的ではない。感動させようとか泣かせようとする要素は一切ない。肝心の場面をすっ飛ばして描かない手法(スーパーに就職する過程とか、万引きを発見する場面など)を取り、主人公の顔の表情を見せずに背後から延々と撮る。音楽も付かず、かなりドキュメンタリーぽい作りになっている。

これがフランス本国では大ヒットしたというから驚きである。日本同様閉塞的な社会状況なのだろうか。ただ、日本で同じ内容の映画が作られてもヒットはしないだろうが……。

この映画は『サンドラの週末』に極めてよく似ていると思った。職を確保するために必死に色々な場所へ出かけて回る。結末で主人公が取る行動までほとんど同じと言っていい。
だが、希望と生を強く感じさせた『サンドラ』とは、向いている方向は全く逆である。どうしてこうなってしまうのだろうか。

陰々滅滅な気分の中で、「これからどーすんの~っ」と主人公の背中に向けて叫びたくなったのは私だけではあるまい。
それでもずっと画面を見ていられるのは主役のヴァンサン・ランドンの演技のたまものだろう。さすがカンヌで男優賞を獲得しただけはある。

ただ正直、主人公の反応はナイーヴ過ぎると感じた。万引き老人の訴えに彼は動揺するが、いざとなれば人間あのぐらいの嘘は堂々とつくだろう。老人は実際には家に小金を貯めこんでいるかもしれないのだ--とか思っちゃったですよ。


全く関係ない話だが、私の隣には若いカップルが座っていた。全くもってデートにはふさわしくないこの映画をどうして選んだのか、そして二人のうちどちらが選んだのか、など聞きたくなってしまったがじっとガマンしたのであった。

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2017年1月 1日 (日)

聞かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 1月版

正月と誕生日が嬉しくなくなったのはいつからでしょうか(^^?)

*6日(金)イタリアの香り~17世紀イタリアのリコーダーとチェンバロの音楽(向江昭雅+平井み帆):近江楽堂
カステッロ、ガブリエリなど。
*8日(日)幸せな時 太陽王ルイ14世が愛した器楽音楽(石橋輝樹ほか):ギャラリー鶉
マレ、オトテールなど。リュートは佐野健二担当。
*9日(月)ヘンデル ベルシャザル(ヘンデル・フェスティバル・ジャパン):浜離宮朝日ホール
毎年恒例、今回は1745年初演のオラトリオ。タイトルロールは辻裕久。
*18日(水)J・S・バッハの葬送音楽とドイツ・バロックの宗教的歌曲(Affetti Musicali):日本福音ルーテル教会
カンタータ106番、モテット227番に、ベーム、テレマンなども。
*28日(土)寺神戸亮 バロック・ヴァイオリンと名曲の魅力:フィリアホール
「私の人生、私の音楽」と題されたトーク+演奏会シリーズの第3回目。
*29日(日)タブラトゥーラ:成城ホール
このホールでは求道会館と違って踊りまくってもいいそうですヾ(^^#)ゝヾ(^^#)ゝ

NHK-FM「ベストクラシック」では、4日にビオンディ&エウローパ・ガランテが、16日~20日は古楽ウィーク。
またTVでは、3日NHKニューイヤーオペラコンサートにBCJ参戦。BSで22日深夜にジャルスキーが登場(!o!)


これ以外には、サイドバーの「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」もご覧ください。

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