「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」:今度こそ私は誓う!
監督:ギャレス・エドワーズ
出演:フェリシティ・ジョーンズ
米国2016年
『スター・ウォーズえぴ7』は本当にあきれて、もう二度とSWシリーズは見ねえと心に誓ったほどだった。
それなのに、なぜこのシリーズの新作(番外編?)に行ってしまったかというと、初めて目にした予告が面白そうだったからである。
設定は「えぴ4」直前で、お懐かしやモン・モスマが復活(!o!) そしてフェリシティ・ジョーンズの不良娘っ子に対し罪状を読み上げ、協力を迫るのだ。「ん?もしかしてSF版『特攻大作戦』みたいなのかしらん」と急に見てみたくなったのである。
その後、撮影途中で監督が降板同然の扱いになったなどとウワサが流れてきたが、まあ気にしないで行ってみよう。
しかし……(ーー;)
★警告 注意 警告 注意★
以下は本作を熱愛する人には耐えがたい文章が続いています。
避けることをお勧めします(^o^)丿
万が一読んで怒っても自己責任でお願いします。
また、ネタバレがあります。
結論から言えば、
「死なせればいいってもんじゃねえぞ(`´メ)ゴルァ」
ということである。
しかし、それより前からおかしなところ、つじつまの合わぬ部分が多数出現。見終わって「そういや、あれは変だったな」と気付くぐらいならいいけど、見ている最中に「え、これおかしくね?」と思ってしまう案件が連続してはいかんともし難い。
例えば、冒頭マツミケ扮する科学者が妻と幼い娘を逃すが、その後でなぜか妻は荒野に娘を置き去りにして戻っちゃう。
ここで早くも第一の疑問--えーと(-_-;)、両親揃っていなくなっちゃったら娘の養育はどうするんですか? いくら友人を呼んだからといって見つからなかったら荒野で飢え死に?(→物語終了)
娘を放り出してまで戻る、なんてことするのは襲来した将校と過去によほどの因縁があったに違いない……てことは三角関係かなどと余計なことまで考えちまったい(~_~メ)
あろうことか、F・ウィテカーの友人は反帝国軍勢力の中でも過激なテロ集団のリーダーで、成長したヒロインは十代で立派なテロリストに育てられ、テロ行為を行なっていたらしい。お母さん、いい加減な友人を頼ってはいけません。
そういや、そのテログループにとっ捕まった情報屋のパイロット、タコ型生物に自白させられてその後「ふぬけ」になると言われたのに、すぐ正気に戻っちゃったのはおかしくないか。脚本改変部分なのかね(?_?)
反乱軍側の将校が科学者の暗殺を密かに命令するのも変。理由がよく分からない。協力するというんだから生かしとけば、さらに情報を得られるじゃないの。こんなに殺したがるということは過去によほどの因縁があったとしか考えられない……さては三角関係か
後半のアクションや戦闘場面はいいけど、とにかく登場人物の行動の論理や感情の流れがメチャクチャ。過去に三角関係があったとでも自らを納得させなければ見ていられないのである!
だが終盤となるとアクション場面でも激しく疑問が突出する。そう、極めつけ「データの塔」であるよ(>O<)
やたら高い場所で格闘してハラハラドキドキというのは、近年「キャプテン・アメリカ」のシリーズなどで流行っているような……(^^?) 今さらながらの感がある。そして、探し求める重要な設計図が入っているメディアがなんとVHS--とまでは言わないが、今は無きベータ方式ビデオテープぐらいの大きさと厚さの物体に入っている、というのはどういうこったい
しかも同じような物体が積み重なって塔を成している(どこかのヲタク部屋か?)。それも一発検索できなくて、タイトル順にリストを辿るしか探しようがないっていうのは……(@_@;)
こりゃ何かの冗談ですかい。見た瞬間に目が点になって、悪いが失笑してしまった。
日ごろ、紙の本の愛好者や音楽をCDで聞く者を「いつまでモノにこだわっているつもりか」などとクサしている人は、この帝国軍の時代遅れなデータ保存法を見たら当然のことながら「ププッ(^'^)遅れている。前世紀ならぬ前銀河の遺物」と嘲笑するであろう。
まあ確かに奪い合いでアクション・シーンやるなら、ある程度の大きさの物体が必要なのは理解できるけどね。これがUSB、どころかマイクロSDカードだったら鼻息で吹っ飛んじまうわな。
一方、戦闘シーンは迫力はあるものの、昔の戦争映画そのまんまみたいなのを見せられてもなあと思ってしまった。
しかし、そもそもこの特攻作戦自体、反乱国(星?)の代表者会議で降伏すると決定したのにも関わらず、一部の「ならず者」部隊が無断で突撃を仕掛けて、それに引きずられて軍全体が追随するという甚だしく問題がある展開なのである。えっ、こんなんでいいのと軍事マニアな人に聞いてみたい。
さらにラストでデススターを簡単に発動させてしまうのも目が点になる事案だ。確か「えぴ4」でもまだ試作段階みたいな感じだったはず(だから終盤の展開でドキドキした)。それなのにあんな簡単に使っちゃあ、有難味(?)が薄れるってもんだ。
同様に、「えぴ4」の設定を尊重しているという触れ込みなのに実は違っているという事例は、他にダース・ベイダーの強さがますますインフレ状態になっていること。あそこまで強くっちゃ「えぴ4」の冒頭にもラストにもそぐわない。
大体にして今度のダース・ベイダー、イモータン・ジョー風味が混ざってませんか(?_?)
最後は、一網打尽になっちゃって「そして誰もいなくなった」状態。私はあっけにとられてしまい、「いやー、簡単に全部片づけちゃったなあ」とシラけてしまった。誰彼突撃して死なせてしまえば、感動したり泣いたりするもんだろうか。冗談ではない。
ラストの「えぴ4」へのつなげ方も、こうなるとわざとらしいの一言である。
主役のフェリシティ・ジョーンズは面構えはいいが、役どころがストーリーに操られた人形のようで魅力半減だ。
ついでに言えば、闘うヒロインが主人公な割には他に女性の主要人物が少ないのも難である。その数少ない女性のうち会議で(愚かにも)降伏論を強硬に唱える人物に、アフリカ系女性を起用しているのもなんだかなあという気分になる。
それから、モフ・ターキン役にピーター・カッシングのCGを張り付けているのもひどい。これがまたつまらない演技で名優の名が泣く代物である。どうせだったら、風貌が似た役者をそのまま使えばまだましだったろう。死んだ後にこんな風に勝手に使われて「お気の毒に」と言いたくなってしまった。
まだまだ言いたいことはあるが不毛なので止める。ともかく、ダース・ベイダーもどきとデススターもどきが登場する映画はもう二度と見ることはないっ(キッパリ)
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