ヘンデル「デイダミーア」:英雄、色よりも戦いを好む
主催:日本ヘンデル協会
音楽監督・演出:原雅巳
会場:東京文化会館小ホール
2017年2月25日
毎年お馴染みの日本ヘンデル協会のオペラ・シリーズ。前回行ったのは2015年の「フラーヴィオ」であった。
今回はヘンデル先生最後のオペラと銘打たれた「デイダミーア」である。なんと客の入りが悪くて3回しか上演されず、これ以降はオラトリオへと活動を移したという因縁の作品なのであった。
これまでと同様、登場人物はヘンデル先生時代の衣装を着けてジェスチャー付きで歌う。大西律子をコンミスとしたオーケストラは舞台の右端に陣取り、全体の指揮は原雅巳がやっていた。
内容はギリシャ神話から題材を取っており、トロイ戦争を背景に英雄アキレウスやオデュッセウスが登場するというものである。
タイトルロールの王女・藤井あやは堂々の貫禄を見せて(聞かせて)くれました。その親友役の加藤千春は対照的に明るく、ややコケットな印象が好感。
英雄(将来の)アキッレ(民秋理)は女に化けてる若者という設定だから、子どもっぽく線が細くっても納得だが、ウリッセ役の佐藤志保はちょっと現役の英雄には見えないのが難だった。
バリトンの春日保人はプレイボーイ英雄役なのだが、毎度この手の人物にはホントにハマリ役である。あまりにハマリ過ぎなので思わず笑ってしまった。
身勝手で子供っぽい男に振り回されて苦労するヒロインはヘンデル作品には定番だが、この物語では遂にヒロインは救われずアンハッピーエンドで終了(!o!) ええー、これで終わりですかと驚いちゃう。
一方で、女同士の友情は強調されているのだが。
とはいえ、他のヘンデル作品と比べて詰まらないということは決してなく、なんで3日で終了しちゃったのか謎である。解説を読むと、当時の政治情勢などが絡んでいるとのこと。色々あるんですねえ(=_=)
全体的には完成度高く、カッチリとヘンデル先生の世界を再現して見せてもらえました。また来年もよろしく
ところで、アキッレが女装している姿がどうも既視感あるなあと思ってみてたら、終盤になってようやく思いついた。そう「竹の子族」\(◎o◎)/!(死語) 髪型や衣装がクリソツなのであった。
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