アンダーウッド大統領を見たくてトニー賞授賞式を覗いてみた
今年のトニー賞の授賞式の司会はケヴィン・スペイシーだった(過去に演劇部門で受賞経験あり)。その中で、彼が主演しているTVシリーズ『ハウス・オブ・カード』のアンダーウッド大統領に扮して登場している画像をネットで見かけて、にわかに興味を持った。
そこでWOWOWで放映された字幕版を録画してみたのだった。
トニー賞、過去にTVでチョロチョロと眺めたことはあるが、ちゃんと見たことはない。というのも、映画ならば知らない作品でも間もなく公開されるか、未公開になってもソフトが出る可能性がある。しかし、芝居やミュージカルとなるとオリジナルキャストで見たいなら海の向こうへ飛ばなければならない。どうしても関心が薄くなってしまうのであった。
だが、授賞式をこうして見てみるとショーとしては完全にアカデミー賞より遥かに面白い。なにせ話題のミュージカルの最高に盛り上がる場面を、セットも込みでそのまま再現してくれるのだから当然といやあ当然である。
印象に残ったのは、ライバルである化粧会社の二人の女社長を描いた『ウォー・ペイント』、ベテラン女優二人の熱唱がド迫力であった。
さて、ケヴィン・スペイシーはダンスを披露したり、中盤に名司会者のジョニー・カースンに扮して物真似をしたが、終わり近くなってビル・クリントンとして登場。
結果的に最多受賞作となった『ディア・エヴァン・ハンセン』で、主役を張って飛ぶ鳥落とす勢いの人気者ベン・プラット(もちろん主演男優賞獲得)に「タイム誌の表紙を4度(3度かな?)も飾っておめでとう」と祝したはいいが、その後で「おかげでヒラリーが表紙になり損ねた(-"-)」とベンを恫喝しビビらせ、ズブズブと座席の下に沈ませたのであった。
で、ようやく最後の最後に作品賞の受賞結果を渡す役としてアンダーウッド大統領が登場。しかも夫人役のロビン・ライトに補佐官ダグ役のマイケル・ケリーも引き連れて、という豪華な面子だ。
しかし、その時のジョークはその前の主演女優賞で『ハロー・ドーリー!』のベット・ミドラーが長々と持ち時間をはるかに超えて、スピーチを喋りまくったことをネタにクサしただけであった。
私の想像だが、本当は大統領ネタで(トランプを引っかけて)ちゃんと笑いを取るつもりだったのではないか。だって、そうじゃなかったらロビン・ライトとM・ケリーの二人が何も喋らずただ出てきただけ、というのはあまりにもったいなさ過ぎである。
それなのに、ミドラーのスピーチが長過ぎてご破算--ということになったのかも。あくまでも推測だが(?_?)
全体的には面白かったが、やはり3時間以上というのは(どの授賞式も同じだが)長くて、通して見るのは難しいのであった。(アカデミー賞も見終われない私である)
それにしてもB・ミドラー71歳 スゴイね(@_@;)
『ハウス・オブ・カード』は現在第4シリーズがイマジカで放送中。私はてっきり第4で終了したのかと思っていたら第5シリーズを米国でやると聞いてビックリである。終わり方が少し唐突で、登場人物の「人員整理」もあり、これで終わってもいい状態だったのだ。(ダグの問題が放りっぱなしだったが)
あと、『ボードウォーク・エンパイア』の最終シーズンが明らかに途中打ち切りだった(1回の放送分で主要人物が二人も死んでしまう)せいもあるだろう。
さらに、トランプ大統領がまるでアンダーウッドの行為をまねたようにしか思えないことを実際に幾つも行っていて、「こんなヤツが現実に出てきてしまっては、ドラマじゃもうこれ以上のことは出来まい」と感じたのだが……。
というわけで、アンダーウッド大統領にはトランプ以上の「暴挙」を期待したい。
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