「スパイダーマン:ホームカミング」:ソフト・ランディング クモの糸よりも軽く
過去にトビー・マグワイア版、アンドリュー・ガーフィールド版、と見てきたスパイダーマン、今度は15歳という年齢にふさわしい童顔のトム・ホランドが主役である。
その前に彼は『シビル・ウォー』に登場していた。その流れで、アイアンマンことスタークも関わってくる。
そこでは、メイおばさんへニヤニヤと色目を使いながらスタークが接する場面があって、その方向で進むかと思いきや、どうもそうではないらしい。何せ冒頭からメイおばさんが「あの人どうも好きじゃないわ(-"-)」とクサすという次第。扮するマリサ・トメイのエロ気爆発かと予想していたのも大ハズレとなった。
いかにスパイダーマンになったかというような説明はすっ飛ばして、主人公ピーターは日夜ご近所の自警団活動に邁進中。張り切り過ぎてご近所迷惑になっている。
学園生活は前の二つのシリーズと比べると、皆さん優しくてほとんど苦労なしという状態だ。
さすが現代のニューヨークだけはあって、生徒たちは多様な人種構成になっている。ピーターをいびる金持ち息子がインド系(IT長者か?)というのもご時勢であろう。
悪役がスタークに仕事を奪われた中小企業の経営者という設定も、何やら今どきの景気を反映しているようで今一つ意気が上がらない。
彼は保護者監視付きのお子ちゃまなので、遠方で敵の陰謀があると判明しても行くのは簡単ではない。自分で車を駆って--というわけにも行かず、「そうだ、部活の大会をやる場所じゃないかっ(^o^)b」と部活のバスで突進だ~
悩みはヒーロー蜘蛛男としてなかなか認めてもらえないことと、気になる女の子がいることぐらいか。誠にお気楽な調子で、「デッドプール童貞版」と評されても致し方あるまいよ。
しかも、意中の彼女であるリズ嬢がどうしてピーターを気に入るのか不明。同じ部活をいきなりやめちゃったり復活したり、部員が危機に陥ってる時にいなかったり、さらに大事な学校行事のパーティに誘ったのに途中で姿をくらますという大失態 ビンタ10回くらっても文句は言えません。
こんなどうしようもない主人公を許す彼女は寛容だのう(・o・) というより、そんな女子がいるんかね 甚だしく疑問である。
もちろん、意外な展開があったり、怒涛のアクションシーンもあるし、感動の友情場面やスタークとのゴタゴタなどテンコ盛りであるが、やはり軽量級の印象はぬぐえない。
一番ガッカリしたのは、クモの糸で飛び回るスパイダーマンならではの躍動感を味あわせてくれるシーンがなかったこと。これまでのシリーズにはあったのにね。それとも、こちらが慣れちゃったのかしらん。
加えて、蜘蛛男が出没するのは当然夜が多いのだが、画面が暗くって何が起こっているのか見にくいことが結構あった。何とかしてくれい。
ところで、キャプテン・アメリカがお尋ね者なのに州の方針で(?)学校で見せる教育ビデオに出てるってのはどういうこったい 州知事がファンなのか(^^?)
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