「LOGAN/ローガン」:ローンウルフ 子連れ狼、国境の北
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ヒュー・ジャックマン
米国2017年
「ローガンが老眼」……誰でも思い浮かぶギャグ通りの設定である。往年の「X-メン」は今いずこ。ウルヴァリンことローガンはプロフェッサーXと町はずれに隠れ住み、ショボくれた運転手として日銭を稼ぐ毎日である。というのも教授は痴呆症で、薬がないと卓越した超能力者だけに非常なご近所迷惑になってしまうからだ。
老々介護みたいな話で暗いですなあ(ーー;)
さらに、研究所から逃げ出してきた少女が自分と同じ能力を(!o!) もしかして自分の「娘」か
迫る追手に彼らはカナダ(多分)国境にあるという「約束の地」を目指す。
元々人種差別問題と重ねて語られてきたこのシリーズゆえ、この設定がトランプ以後を予言していたということでも評判になったっけ。
行く先々で不幸と暴力をまき散らす(結果的に)一行、ますます暗い展開だ。
作中で『シェーン』が引用される通り、全体的に西部劇的雰囲気が濃厚。あるいは浪花節的とも言えようか。
まさに一匹狼として生きてきたウルヴァリンが「家族」を見出す過程は泣けるし、次世代に希望を託しつつ終わるラストは涙ものである
アクションシーンもテンコ盛り。そちら方面も文句な~し。
ヒュー・ジャックマンの一世一代の当たり役、有終の美を飾ったと言えるだろう。17年間ご苦労さんでした(T_T)/~~~ 願わくば、次はこれ以上の当たり役を見つけて欲しいところである。
パトさんことP・スチュワートは、まだらボケの超能力者という難しい役どころをガッチリ演じきっております。できればまたイアン・マッケランと美爺共演してくれんかのう(個人的願望)。
子役の少女は凶暴さをいかんなく発揮。セリフは少ないが「子狼」役として適役であった。
さて、少女が教授とホテルで映画の『シェーン』を一緒に見て、そこから正義を学ぶというくだりがある。
出た定番「映画で正しいことを学ぶ」場面。よく見かけるが(古くは『グレムリン』とか)私はひねくれ者なんでホントかな~なんて思っちゃう。
映画から正義を学べるなら、悪事だって学べて実行できるのではないかね。
ホテルのテレビではたまたま『シェーン』をやってたからいいけど、これが別の映画だったらどうなるだろうか。
例えば『ブルー・ベルベット』→教授「親に隠れてこれを見に行って、あまりのヘンタイぶりにハアハア(^Q^;)したもんじゃよウヒョヒョ」
あるいは『時計仕掛けのオレンジ』→教授「上映禁止運動が起こっておったが、友人たちと見に行ってコーフンして、帰りには通りがかりのジーサンを殴り倒したなあ。まあ若い頃はそんなもんじゃ」
おいおい(@_@;)違う物語になっちゃうよ。
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