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2017年10月

2017年10月31日 (火)

聞かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 11月版

なんかもう忙しくて、おちおちコンサートにも行ってられません(+_+)

*3日(金)フレスコバルディへのオマージュ(廣江理枝ほか):藝大奏楽堂
*  〃  バッハ無伴奏チェロ組曲第1回(鈴木秀美):浜離宮朝日ホール ♪第2回は10日
*11日(土)ラモー コンセールによるクラヴサン曲集(湯上かおりほか):近江楽堂
*12日(日)秋の都電荒川線ライブ(ジョングルール・ボン・ミュジシャン):都電荒川線三ノ輪橋~大塚駅前
*18日(土)マラン・マレその秘められた才能(寺神戸亮ほか):石橋メモリアルホール
土曜出勤の日と重なってしまいました(/_;)グスッ
*19日(日)バッハ 音楽の捧げもの(バルトルド・クイケンほか):横浜みなとみらいホール
兄弟時間差来日?
*21日(火)アリーン・ジルベライシュと仲間たち:近江楽堂
*27日(月)バッハ フルート作品全曲演奏会(バルトルド・クイケン&渡邊順生):浜離宮朝日ホール
*29日(水)5弦のチェロで、ク~プラン。(ジュゴンボーイズ):旧古河庭園・洋館

これ以外にはサイドバーの「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」もご覧ください。

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2017年10月22日 (日)

モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」:夕べに「祈り」を聞かば、朝に死すとも可なり

171022
演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2017年9月24日

モンテヴェルディ・イヤーも後半戦押し詰まってまいりました。ここで真打登場風にBCJが「晩課」を演奏です。この後には「ポッペア」も控えておりますねー。
コルネットとトロンボーンにはコンチェルト・パラティーノが入るという豪華布陣、会場は期待する聴衆で満員御礼であります。

しかし、個人的に獲得できたのが一番端っこの席ということで、音的には今イチなのだった。
折角のコンチェルト・パラティーノ参加なのに管の音が遠くに流れ去っていく印象。ステージ上もよく見えんし、うーむ、残念無念である(-"-)

曲の聞きどころとしては、個人技よりも合唱と器楽のアンサンブルがメインだと思うので、その点はBCJの得意技、本領発揮といってよいだろう。両者がほぼ完璧に融合した響きを作り上げ、正統派モンテヴェルディの美しさをいかんなく発揮していた。
コンチェルト・イタリアーノとは違って大編成なのでその点でも迫力ある。通底リュートは野入志津子&佐藤亜紀子、鍵盤は鈴木優人&大塚直哉という布陣だ。

ただ、バッハのカンタータの時のように歌手が奥の雛壇に配置されているので、独唱部分がある度にチョコチョコと出たり入ったりするのが頻繁で、やや煩雑に見えた。
それと、正統派過ぎてそこを不満に思う人がいるかも……。

個人技を発揮する作品ではないとはいえ、独唱した歌手の中ではやはり櫻田亮がピカピカと光って力強い歌を聞かせてくれた。あと、ソプラノ2人(ソフィー・ユンカー、松井亜季)も力を発揮。
それからリコーダーの一人、古橋潤一が終盤で派手な装飾音を入れて吹きまくっていたのには笑ってしまったですよ(^O^)

これで、今年の私のモンテヴェルディ祭りは終了(多分)。皆さま、テレマン250年祭りもお忘れなく(@^^)/~~~


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2017年10月14日 (土)

「サヴァール・トリオ ラ・ヴィオール・セルティーク」:静かなるケルト

171014
会場:王子ホール
2017年9月14日
→写真は水戸公演のチラシです

近年、様々なテーマで録音を出し続けているサヴァール、今回の来日のテーマはケルト音楽である。CDは数年前に出ていたと記憶している。

ほとんどは短い曲で、アイルランドやスコットランドの伝統曲や舞曲があれば、様々な時代に作曲家が作った曲もある。それを数曲ずつセットという組曲のようにして演奏した(公演日によってセットは変わったらしい)。

サヴァールはトレブルとバスのヴィオールを使用。トレブルはまるでフィドルのように聞こえた。十ウン年ぶりに見たアンドルー・ローレンス=キングはハープとプサルテリを弾いていた。後者はなかなかナマでは見られない(聞けない)だろう。伝統的なパーカッションであるバウロン(プログラムには「ボラーン」と記されていてビックリだ)を叩いていたのはフランク・マグワイアーという人である。
この3人でやるセットもあれば、ソロで担当するセットもあった。

打楽器が入り舞曲もあるとはいえ、全体には渋くて静謐な印象である。眠気虫が至る所に出没。それを応援するように会場の照明も暗い(この会場はいつもそうだが)。
また、クラシックとしての古楽演奏ともかけ離れているせいか、私の前に座っていたグループは前半が終わると姿を消してしまった。

マグワイアー氏は元々伝統音楽だけでなく色んなジャンルのミュージシャンと共演している人とのこと。サヴァールの方から声をかけたというだけあって、かなりの腕前である。終演後に中高年の女性が英語で話しかけたら、気軽にいいですよと楽器を見せていた。
スコットランドみたいなスカートを穿いて出てきたので、アイルランドの民族衣装も同じなのかと驚いた(もっとも、チェック柄ではない)。

サヴァールは演奏自体はエネルギッシュだったけど、外見はかつてと異なり油気がすっかり抜けて、なんだか枯淡の粋に達しているようだった。一方、ローレンス=キングは逆に恰幅がよくなり、サヴァールの二倍ぐらいの横幅があった 蒸し暑い気候の日だったせいか、ハープの調弦には非常に苦労していたが、調弦の苦労と体重は関係しないようである(^^;)

アンコール1曲目のアラブ風の曲が面白かった。11月1日にNHK-FMで放送予定とのこと。

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2017年10月 9日 (月)

「ワンダーウーマン」:ファイト・アンド・ラブ 戦闘美女参上

171009
監督:パティ・ジェンキンス
出演:ガル・ガドット
米国2017年

ワンダーウーマンと言われてもアメコミ関係は無知な私ゆえ、名前聞いたことあるぐらいの状態で見に行った。。
霧に隠れた海の中の王国、そこは女だけの国だった(!o!)--となると、当然疑問なのはどうやって生殖活動を行うのかということである。アマゾネスのように外界へ出て男を見つけるのかと思いきや、ギリシャ神話の人物である島民は大人ばかり、唯一の子どもがヒロインのお姫さまダイアナなのであった。

さて、ある日そこに流れ着きた~る男ひとり~ぃ 時は第一次大戦の真っ最中、スパイ任務中の男の言葉を信じて、悪(ドイツ軍)と闘うために彼女は外へ出ていく。
ここで「ちょっと、これってオボコ娘を悪い男が騙す手口じゃないの?大丈夫かしらん」と、突如おばさんモードになって心配になっちゃう。

ロンドン経由で欧州前線へ。ムサイ男たちがゴロゴロいる過酷な戦場に、強い美女一人……って、どこかで見たような気が(?_?) と思ったらマンガの『キングダム』じゃありませんか。
その後は大音響とCGバリバリのアクションが連続して行け行けドンドン 退屈している暇もなく、約2時間20分アレヨアレヨと進行する。特に前線の村での大活躍は爽快の一言だ。思わず「やった(^o^)丿」ポーズをとりたくなる。

しかし、「戦う女」というよりは「お嬢さん、大暴れ」といった風情で今一つ「軽い」のはどうしたことよ。そういや、『スパイダーマン:ホームカミング』も軽かったのを思い出した。軽いのが当世風なのか。
おまけにラスボスが意外な人物--ではあるがあまりに意外過ぎて迫力がないような?「ええ、そうなんだ、ふーん(゜_゜)」てな感想しか出てこない。
「人間こそが悪」と言ったって、根本的な悪の描写はないから、なんだかお題目だけな気がしてしまうのも困ったもんだ。

一番の問題は、主人公カップル以外パッとしたに美男美女がいないこと。いや、別に娯楽映画で中心キャラクターが美男美女なのは当然なんだけど、美しくなくとも、思わず目を引くカッコエエ奴とか個性が強い人とかロクでもないが憎めないキャラとか--印象に残る人物がいないのだ。過去の様々な人気シリーズなど思い返せば、そのような味のある脇役が必ずいるんだけど、この映画にはいない。その点は非常につまらないと思う。

主役のガル・ガドットは美人で長身、プロポーションも申し分なく、どこから見ても映える。しかも美しいというだけでなく愛嬌のある顏だちなのがよい。これでイスラエルで兵役につき、パレスチナ問題で暴言を吐いたとはとても見えないが、愛国美女なんですかねえ。
おかげで相手役のクリス・パインはやや影が薄い。サービスショット(ファン向け?)が目に付いたくらいか。

さて、世評ではこれがフェミニズム作品として評価できるという意見が多数派のようだが、正直そうとは思えない。闘う強い女が登場したからといって、それだけで評価が上がるわけではない。「強い女」が登場する作品なら、それこそ『キングダム』や『ナウシカ』だってそうだろう。しかし、これらはフェミニズム批評の俎上に上がっても、作品自体が評価できるかは別である。

悪役の(女)科学者の描き方もかなり違和感あり。原作がそうなのかも知れないが、ちっこくて黒くてコソコソしてて小ネズミのようで、主人公とは正反対。おまけにドイツ軍の将軍になでられて、まんざらでもない顔をするのもどうか(他にも「男からの評価を気にする」という描写あり)。正統派リケジョ悪役なら「同情するなら研究費出せ」ぐらいに気を吐いてほしいもんである。


予告で「ジャスティス・リーグ」とマイティ・ソーの新作をやっていたが……なんかこれからは「団体戦」が流行なんですかね。


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2017年10月 2日 (月)

「マントヴァ聖バルバラ教会の音楽とポリフォニー即興」:下は冷蔵庫、上は蒸し風呂、なーんだ?

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演奏:セステット・ヴォカーレ
会場:求道会館
2017年9月10日

テノール福島康晴、バリトン辻康介など6名がアカペラでルネサンス期の歌曲を歌う。このグループを聞くのは初めてだが、これまでの公演では世俗曲ばかりだったらしい。
なんでも夏にイタリアにメンバーで研修に行き、マントヴァの聖バルバラ教会で歌ったという。バルバラ教会はゴンザーガ公によって当時のポリフォニー音楽を響かせる目的に特化された作られた空間だとのこと。で、今回はその同時代の宗教曲を演奏するという趣向だ。

パレストリーナ、モンテヴェルディなど有名どころもあれば、ロジェールとかデンティチェとなると名前も聞いたことありませ~ん なんとゴンザーガ公の作った曲もあり。
さらには即興演奏や、会場の客にコーラス参加させたり(客の人数が多いので、歌手たちの声がかき消されてしまうというアクシデント勃発)と、色々仕掛けがある内容だった。

求道会館の響きもよく、当時の聖バルバラ教会もこんなだったかという気分になった。全編無伴奏というのは技量がなくてはできないだろうが、時々妙に歌声がペラペラと薄くなって不安定になってしまうのが気になった。

開演前に建築としての求道会館の解説があったが、客入れと同時だったのでザワザワしてあまりよく聞き取れなかった。
それとムシ暑い日だったので、エアコンを稼働させていた。しかし床から(?)風が吹き出てくる構造だったので、1階は冷蔵庫で2回は蒸し風呂状態(らしい)になってしまってマイッタですよ(@_@;)
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←燭台は鶴が咥えている。

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2017年10月 1日 (日)

聞かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 10月版

コンサート・ラッシュでとても行ききれません(>_<)

*2日(月)激動の英国、激動のコンティヌオ!(コンティヌオ・ギルド):近江楽堂
*6日(金)フォンス・ムジケ:武蔵野市民文化会館 ♪8日にも横浜ひまわりの郷で公演あり
あまりチケットが売れてないと聞いたんですが、マジですかっ(!o!)
*9日(月)頌歌 バロック3大作曲家の饗宴(セシリア・コンソートほか):石橋メモリアルホール
*11日(水)・12日(木)オール・バッハ・プログラム(ラ・プティット・バンド):浜離宮朝日ホール
*12日(木)若松夏美バッハを弾く(ハクジュホール)
*13日(金)ジョージ・フィリップ・テレマン7(ウト・ファ):近江楽堂
*28日(土)男と女のイタリア恋物語(細岡ゆきほか):JTアートホールアフィニス
*31日(火)シェイクスピアの春夏秋冬(レ・タンブル&ハルモニア・レニス):近江楽堂

これ以外にはサイドバーの「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」をご覧ください。

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