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2017年10月 9日 (月)

「ワンダーウーマン」:ファイト・アンド・ラブ 戦闘美女参上

171009
監督:パティ・ジェンキンス
出演:ガル・ガドット
米国2017年

ワンダーウーマンと言われてもアメコミ関係は無知な私ゆえ、名前聞いたことあるぐらいの状態で見に行った。。
霧に隠れた海の中の王国、そこは女だけの国だった(!o!)--となると、当然疑問なのはどうやって生殖活動を行うのかということである。アマゾネスのように外界へ出て男を見つけるのかと思いきや、ギリシャ神話の人物である島民は大人ばかり、唯一の子どもがヒロインのお姫さまダイアナなのであった。

さて、ある日そこに流れ着きた~る男ひとり~ぃ 時は第一次大戦の真っ最中、スパイ任務中の男の言葉を信じて、悪(ドイツ軍)と闘うために彼女は外へ出ていく。
ここで「ちょっと、これってオボコ娘を悪い男が騙す手口じゃないの?大丈夫かしらん」と、突如おばさんモードになって心配になっちゃう。

ロンドン経由で欧州前線へ。ムサイ男たちがゴロゴロいる過酷な戦場に、強い美女一人……って、どこかで見たような気が(?_?) と思ったらマンガの『キングダム』じゃありませんか。
その後は大音響とCGバリバリのアクションが連続して行け行けドンドン 退屈している暇もなく、約2時間20分アレヨアレヨと進行する。特に前線の村での大活躍は爽快の一言だ。思わず「やった(^o^)丿」ポーズをとりたくなる。

しかし、「戦う女」というよりは「お嬢さん、大暴れ」といった風情で今一つ「軽い」のはどうしたことよ。そういや、『スパイダーマン:ホームカミング』も軽かったのを思い出した。軽いのが当世風なのか。
おまけにラスボスが意外な人物--ではあるがあまりに意外過ぎて迫力がないような?「ええ、そうなんだ、ふーん(゜_゜)」てな感想しか出てこない。
「人間こそが悪」と言ったって、根本的な悪の描写はないから、なんだかお題目だけな気がしてしまうのも困ったもんだ。

一番の問題は、主人公カップル以外パッとしたに美男美女がいないこと。いや、別に娯楽映画で中心キャラクターが美男美女なのは当然なんだけど、美しくなくとも、思わず目を引くカッコエエ奴とか個性が強い人とかロクでもないが憎めないキャラとか--印象に残る人物がいないのだ。過去の様々な人気シリーズなど思い返せば、そのような味のある脇役が必ずいるんだけど、この映画にはいない。その点は非常につまらないと思う。

主役のガル・ガドットは美人で長身、プロポーションも申し分なく、どこから見ても映える。しかも美しいというだけでなく愛嬌のある顏だちなのがよい。これでイスラエルで兵役につき、パレスチナ問題で暴言を吐いたとはとても見えないが、愛国美女なんですかねえ。
おかげで相手役のクリス・パインはやや影が薄い。サービスショット(ファン向け?)が目に付いたくらいか。

さて、世評ではこれがフェミニズム作品として評価できるという意見が多数派のようだが、正直そうとは思えない。闘う強い女が登場したからといって、それだけで評価が上がるわけではない。「強い女」が登場する作品なら、それこそ『キングダム』や『ナウシカ』だってそうだろう。しかし、これらはフェミニズム批評の俎上に上がっても、作品自体が評価できるかは別である。

悪役の(女)科学者の描き方もかなり違和感あり。原作がそうなのかも知れないが、ちっこくて黒くてコソコソしてて小ネズミのようで、主人公とは正反対。おまけにドイツ軍の将軍になでられて、まんざらでもない顔をするのもどうか(他にも「男からの評価を気にする」という描写あり)。正統派リケジョ悪役なら「同情するなら研究費出せ」ぐらいに気を吐いてほしいもんである。


予告で「ジャスティス・リーグ」とマイティ・ソーの新作をやっていたが……なんかこれからは「団体戦」が流行なんですかね。


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