「サヴァール・トリオ ラ・ヴィオール・セルティーク」:静かなるケルト
会場:王子ホール
2017年9月14日
→写真は水戸公演のチラシです
近年、様々なテーマで録音を出し続けているサヴァール、今回の来日のテーマはケルト音楽である。CDは数年前に出ていたと記憶している。
ほとんどは短い曲で、アイルランドやスコットランドの伝統曲や舞曲があれば、様々な時代に作曲家が作った曲もある。それを数曲ずつセットという組曲のようにして演奏した(公演日によってセットは変わったらしい)。
サヴァールはトレブルとバスのヴィオールを使用。トレブルはまるでフィドルのように聞こえた。十ウン年ぶりに見たアンドルー・ローレンス=キングはハープとプサルテリを弾いていた。後者はなかなかナマでは見られない(聞けない)だろう。伝統的なパーカッションであるバウロン(プログラムには「ボラーン」と記されていてビックリだ)を叩いていたのはフランク・マグワイアーという人である。
この3人でやるセットもあれば、ソロで担当するセットもあった。
打楽器が入り舞曲もあるとはいえ、全体には渋くて静謐な印象である。眠気虫が至る所に出没。それを応援するように会場の照明も暗い(この会場はいつもそうだが)。
また、クラシックとしての古楽演奏ともかけ離れているせいか、私の前に座っていたグループは前半が終わると姿を消してしまった。
マグワイアー氏は元々伝統音楽だけでなく色んなジャンルのミュージシャンと共演している人とのこと。サヴァールの方から声をかけたというだけあって、かなりの腕前である。終演後に中高年の女性が英語で話しかけたら、気軽にいいですよと楽器を見せていた。
スコットランドみたいなスカートを穿いて出てきたので、アイルランドの民族衣装も同じなのかと驚いた(もっとも、チェック柄ではない)。
サヴァールは演奏自体はエネルギッシュだったけど、外見はかつてと異なり油気がすっかり抜けて、なんだか枯淡の粋に達しているようだった。一方、ローレンス=キングは逆に恰幅がよくなり、サヴァールの二倍ぐらいの横幅があった 蒸し暑い気候の日だったせいか、ハープの調弦には非常に苦労していたが、調弦の苦労と体重は関係しないようである(^^;)
アンコール1曲目のアラブ風の曲が面白かった。11月1日にNHK-FMで放送予定とのこと。
| 固定リンク | 0
コメント