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2017年11月

2017年11月19日 (日)

「ゲオルク・フィリップ・テレマン 7 没後250年記念」:まだまだ終わらぬテレマン祭り

171119
演奏:Ut/Fa(ウト・ファ)
会場:近江楽堂
2017年10月13日

モンテヴェルディに比べて今一つ盛り上がっているのかどうかよくわからないテレマンイヤー、ここは是非全国推定sign02ウン百万人のテレマン愛好者にはラストスパートをかけていただきたいものである。

そんなテレマンをずっと取り上げてきた宇治川朝政と福間彩のユニットは、今回吹くのは大変だが聞いて楽しめるような曲を特集。
「新しいソナチネ集」「忠実なる音楽の師」「音楽の練習帳」から2曲ずつ演奏した。また、福間彩もチェンバロ・ソロ曲「序曲」を披露。

リコーダー曲といっても、さすが様々な楽器のために作品を書いたテレマンゆえ、元はファゴットのための曲なんてのもあった。
数本のリコーダーを取り替えつつ宇治川氏は吹きまくり、中でも「忠実なる~」からのソナタでは早吹きに驚かされる場面もあった。それでも「おおっthunder」と緊張感があまり走らないのはそのお人柄のせいでしょうか(^o^)

曲間の解説では「喋りを入れつつ演奏するのは大変」とFM「古楽の楽しみ」の公開放送収録の話をしたり、「テレマンは今でいうデアゴスティーニ方式で楽譜を出版した」などと会場の笑いを取っておりましたよfull(あの販売方式の元祖はテレマンなのか?)
部分的に夫婦漫才のような場面もあった(^<^) どちらがボケ、ツッコミかは言うに及ばず。

まだまだ来年も二人はテレマン公演を続けるようで、ウン百万人のテレマン・ファンには引き続き盛り上がって欲しいもんである。


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2017年11月14日 (火)

「セールスマン」:ショウ・マスト・ゴー・オン それでも芝居は続く

171114
監督:アスガー・ファルハディ
出演:シャハブ・ホセイニ、タラネ・アリドゥスティ
イラン・フランス2016年

『ある過去の行方』をフランスで撮った後、再びイランへ戻ったファルハディ監督、この新作はトランプ大統領の移民政策がらみで、アカデミー賞の外国語映画部門受賞の際にも話題になった。

冒頭、マンションの倒壊事件が起こってその住民だった夫婦が、住居探しを始める。知り合いに紹介してもらったマンションの一室に入居するが……前の入居者の荷物が残っていたりなど、どうも不審さが漂う。

そんな時に妻のレイプ事件が起こる。夫はいきり立つが、妻は警察には行きたくないと言い張る。やり場のない怒りに彼は自分で犯人探しを始める。

夫婦の思惑は常に行き違いすれ違い、修復不可能なほどの亀裂が生じる。二人は夜、所属する劇団でA・ミラーの『セールスマン』でやはり夫婦役を演じているが、劇の顛末が二人の関係を暗示しているのだろうか。

見てて、息苦しい((+_+))つらい(>_<)倒れそう_(:3」∠)_
唯一の息抜きは、女優の子どもと子猫(カワユイheart01)が登場する場面ぐらいだろう。

とはいえ、教師の夫の授業風景、乗合タクシーでの会話、冒頭の倒壊場面と終盤が重ねあわされていること(これは他の人の指摘で気付いた。ボーッとしております(^^;ゞ)など、脚本も担当のファルハディ監督は用意周到に亀裂を浮かび上がらせていく。

ネットの感想で「夫の怒りは妻を思っているのではない。彼自身の尊厳が傷つけられたからだ」という意見があって、これは大いに納得だった。

サスペンス場面の描写もなかなかにコワイ(ドアが開くところとか)。チラシに使われている場面も、緊張を醸し出す画面の分割具合が完璧である。ヒロイン役のタラネ・アリドゥスティが「監督は完全主義でキビシイ」と語っていたが、なんとなく分かるような。
ただ、唯一の問題は犯人像である。冷静に考えればとても犯行を実行できるとは思えないんだが……。

さて、妻が警察沙汰を断固拒否したのは、イスラム社会の厳格さが原因だという意見を幾つも見かけた。しかし、本当にそうだろうか?
--ということで、この手の犯罪対処に関して「先進国」でありそうな米国の事例を見てみよう。
『ミズーラ』(ジョン・クラカワー)によると、性暴力にあって警察に届け出る人の割合は20%だという。つまり残りの80%は届け出ていないのである。なお、この本は大学町でフットボールのスター選手によって起こされたレイプ事件を扱っている。もちろん周囲からは非難轟々であった……訴えた女性の方が。こんなんではとても訴える気にはならないだろう。

一方、日本ではとある統計によると被害にあって他人に相談する人は半数以下。さらに警察に届けるのは4.3%だという。
全くもって、この映画は他人事ではないのであるdanger
そういや、大昔に友人が「レイプにあっても絶対警察には行かないng」と断言していた。その時理由は聞かなかったけど。(警察への不信か)

イラン国内問題としては、むしろ劇団の内部事情の描写の方が厳しい。検閲官が来るとか、シャワーを借りてたという設定の隣人女性役のセリフが見た目とかけ離れていたりとか、辛辣である。
(この文章を書いてて気づいたんだが、「シャワー」の部分も事件と芝居を重ね合わせてるのかね?)

トランプ騒動の余波で賞が取れたなどという意見もちらほらあるが、いずれにしろファルハディは次作も要チェックな監督であるのは間違いない。


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2017年11月11日 (土)

「ラ・プティット・バンド オールJ.S.バッハ・プログラム」:タフにして老怪

171111
会場:浜離宮朝日ホール
2017年10月11・12日

定期的に(?)日本を訪れているようなシギスヴァルト・クイケン率いるLPBの公演、11日の夜の回を聞きに行った。ソプラノ歌手を含む総勢9名の布陣である。

まずは管弦楽組曲の第3番を管楽器とティンパニが入らないヴァージョンから開始。実際にステージに登場したのは5人という極小編成であるため、この曲では定番イメージの「壮麗crown」とは程遠く、なんか全く違う曲に聞こえた。代わりにチェロ(ロナン・ケルノアという人)が際立って聞こえた。

続く「音楽の捧げ物」のトリオソナタ、新たに女性フルート奏者(アンネ・プストラウク)が入った4人で。しかし、左のフルートと右のシギス親爺のヴァイオリンが、なんか微妙に均衡が取れていないような?? 気のせいかしらん。(座ってた位置によるかもしれないが)
まあ、これもLPBならではということで……(^○^;

チェンバロ協奏曲の第5番はもちろん、若手鍵盤弾きのB・アラールが中心である。こちらはもう才気走った演奏で、バッハ先生の若い頃もかくや(!o!)なんて思っちゃったですよ。

休憩後の後半は全員登場して、ソプラノ独唱の世俗カンタータを丸ごと1曲である。
BWV204「わたしの心は、満ち足りて」っ--ありゃsign02BCJの定期でキャロリン・サンプソンが歌ってた曲じゃありませぬかsign03

レチとアリアが交互に全8曲から構成、アリアではそれぞれ異なった楽器と共に歌うという趣向である。
ソプラノのグシュヴェンドは高音はキレイだが、低音がやや弱くて2曲目のアリアではオーボエ2本にかき消されて聞こえた。正直、最近聞いたソプラノではサンプソンやフォンス・ムジケのドロテー・ルクレールと比べるとかなり分が悪い。

しかしながらthunderBCJの時は、歌うのは大変そうなばかりで説教臭くて長いなーと感じた同じ曲が、不思議なことにこの日のLPBの演奏ではアンサンブルが楽しく、面白く聞けたのだよ。
BCJの端正な演奏に比べれば、シギス親爺の方はヨレヨレ&ギコギコ(^<^;していたにも関わらずである。
いやはや、やはりこれはシギスの親爺力というべきか、LPBならではというかspa
というわけで、満足できたコンサートだった。

それにしても、中心メンバー4人はこの前夜にもモーツァルトを弦楽四重奏でやってたんだよね。すごいタフですなあ(・・;)


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2017年11月 1日 (水)

「フォンス・ムジケ」:大雨にも負けず寒さにも負けず

171101
会場:武蔵野市民文化会館小ホール
2017年10月6日

リュートの今村泰典主催のフォンス・ムジケ、久々の公演である。今村氏単独では結構頻繁に来日しているが、グループ名義だと関東圏ではもしかして--北とぴあ音楽祭の時以来かsign02(ブログを始める前なので、記録なし)
というわけで、平日に職場から武蔵野はあまり行きやすくないのだが、都内ではここしかやらないのである。フォンス・ムジケの公演とあっては致し方ない。頑張って行きましたよ(^^)b

演目はソプラノ独唱によるモンテヴェルディ、メールラ、ストロッツィの初期バロック歌曲とヘンデルのイタリア語カンタータ、そして残り半分を器楽曲という構成だった。

歌手以外の4人はテオルボ+チェロ+バロック・ギター+チェンバロで、撥弦楽器多めな編成だ。そのためか、通常のこの手のアンサンブルとはやや異なった響きが伝わってきた。

今村氏はバッハの無伴奏チェロ曲から、テオルボで演奏。正直、この会場でテオルボ一丁というのは無理な話で、近江楽堂あたりで聞きたかった。
アンサンブル全員の演奏はボノンチーノのソナタだった。

ソプラノのドロテー・ルクレールは非常に巧妙にして隙なし、といった歌唱で会場を聞き入らせていた。テクニックも感情表現も申し分ない人で、これからの有望株だろうが……ただ、どうも個人的にはちょっと声質が好きではなくて(^^;ゞあまりのめりこんで聞けなかったのである。
この公演はしばらく前に出たストロッツィの録音を元にしているが、そのCDはやはり彼女の歌唱がどうも苦手であまり聞かないまま放り出していたのだった。まあ、こればっかりは好き嫌いの問題なんでしょうがないよね。
昔、「ミュージック・マガジン」誌の星取表に「声が嫌いで1点減点」と書いたライターがヒンシュクかったのを思い出したdash

アンコールの2曲目はなんとシャンソンの「枯葉」だった(!o!) 緊張が解けてホッとなごむ気分でヨカッタ。
もっとも、一貫性がなくて気分が壊れたと批判しているブログもあったので、やはり人それぞれであるよ。

メンバーはなにげに美人度高しshine ギターは若くて初々しい娘さんみたいな印象。チェロは妖艶なおねーさま風、ドロテーは硬質でキリっとした美女であった。


武蔵野には改装後初めて行った。気温が低くて、大雨が降った日だった。三鷹駅からの道のりが遠くて、さらにビショビショして寒くってもうマイッタtyphoon 歩いてて長~く感じて、帰りたくなってしまったですよ(+o+)


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