「ラ・プティット・バンド オールJ.S.バッハ・プログラム」:タフにして老怪
定期的に(?)日本を訪れているようなシギスヴァルト・クイケン率いるLPBの公演、11日の夜の回を聞きに行った。ソプラノ歌手を含む総勢9名の布陣である。
まずは管弦楽組曲の第3番を管楽器とティンパニが入らないヴァージョンから開始。実際にステージに登場したのは5人という極小編成であるため、この曲では定番イメージの「壮麗」とは程遠く、なんか全く違う曲に聞こえた。代わりにチェロ(ロナン・ケルノアという人)が際立って聞こえた。
続く「音楽の捧げ物」のトリオソナタ、新たに女性フルート奏者(アンネ・プストラウク)が入った4人で。しかし、左のフルートと右のシギス親爺のヴァイオリンが、なんか微妙に均衡が取れていないような?? 気のせいかしらん。(座ってた位置によるかもしれないが)
まあ、これもLPBならではということで……(^○^;
チェンバロ協奏曲の第5番はもちろん、若手鍵盤弾きのB・アラールが中心である。こちらはもう才気走った演奏で、バッハ先生の若い頃もかくや(!o!)なんて思っちゃったですよ。
休憩後の後半は全員登場して、ソプラノ独唱の世俗カンタータを丸ごと1曲である。
BWV204「わたしの心は、満ち足りて」っ--ありゃBCJの定期でキャロリン・サンプソンが歌ってた曲じゃありませぬか
レチとアリアが交互に全8曲から構成、アリアではそれぞれ異なった楽器と共に歌うという趣向である。
ソプラノのグシュヴェンドは高音はキレイだが、低音がやや弱くて2曲目のアリアではオーボエ2本にかき消されて聞こえた。正直、最近聞いたソプラノではサンプソンやフォンス・ムジケのドロテー・ルクレールと比べるとかなり分が悪い。
しかしながらBCJの時は、歌うのは大変そうなばかりで説教臭くて長いなーと感じた同じ曲が、不思議なことにこの日のLPBの演奏ではアンサンブルが楽しく、面白く聞けたのだよ。
BCJの端正な演奏に比べれば、シギス親爺の方はヨレヨレ&ギコギコ(^<^;していたにも関わらずである。
いやはや、やはりこれはシギスの親爺力というべきか、LPBならではというか
というわけで、満足できたコンサートだった。
それにしても、中心メンバー4人はこの前夜にもモーツァルトを弦楽四重奏でやってたんだよね。すごいタフですなあ(・・;)
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