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2018年1月

2018年1月28日 (日)

現代アート二題

また感想を書く機会を逃してしまいそうなので、とりあえず写真だけでも乗せとく。

★ザ・ユージーン・スタジオ「1/2 Century later」
会場:資生堂ギャラリー
2018年11月21日~12月24日
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全くのノーチェックだったが、こちらのブログに紹介されていたので、最終日(クリスマス・イヴですな)に駆けつけた。地下に降りる入口に行列が(!o!)と驚いたが、実は上階のパーラーの順番待ちの客だった。

「善悪の荒野」と名付けられた、『2001』のホテルの部屋(の廃墟)を復元した巨大インスタレーションは迫力あり過ぎ。実際に部屋を作ってから燃やしたらしい。
周囲に数点の作品があって、それらがまとまって一つのコンセプトを表わしているようなのだが、部屋のインスタが物体としてあまりに突出してしまっているので、コンセプトをかき消してしまっている。

なお、ちょうどベッドの正面にあたる方向に隣室のモノリス(風の展示壁)があって、その点でも映画にのっとっているようだ。

入場した時から、女性の監視員兼スタッフの人にものすごい不審な目つきで睨まれてしまった。そりゃ確かに周囲はアート系の若いモンばかりで、年齢高いのは私だけだったが、野暮なオバハンでも現代アートを見たいんだよ。
まあ無料だから文句も言えんが。
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★ゲルハルト・リヒター「ペインティング1992-2017」
会場:ワコウ・ワークス・オブ・アート
2017年12月16日~2018年1月31日

六本木のギャラリーが多く入ったビルの中の一つでリヒター展をやっていた。割と近年の作品を展示しているとのことである。
ほとんどは絵画だが、1点だけ銀色の球みたいな謎の物体(直径20センチぐらい)があった。とても気になったが、直接床に転がしてあるのでしげしげ見るには床に這いつくばらねばならない。むむむ、這いつくばって見ればよかったかしらん(^_^;)

写真をぼかしたような作風のものもあったが、抽象的な作品はかすれ具合とかにじみ具合とか絵具を削った部分とか、かなり見ていて脳ミソに直接来るものがあった。
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2018年1月15日 (月)

「バルトルド・クイケン&渡邊順生」:我が古楽道を往く

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J・S・バッハ フルート作品全曲演奏会
会場:浜離宮朝日ホール
2017年11月27日

兄弟時間差来日のクイケン兄弟、この日は単独バルトルドにチェンバロの渡邊順生が共演である。
午後7時開演のところ、6時からプレトークがあった。普通の平日ならぜったいに無理な時間だが、たまたま仕事を早退けできる日だったので6時に行ってみた。

ご両人が現れ、さらに通訳担当の前田りり子がステージに。
実はバルトルドの本(『楽譜から音楽へ』)が翻訳出版されるのでそれに合わせて来日したが、翻訳者関係の都合で2か月ほど遅れてしまったという。その本は1650年から1900年ぐらいの音楽について書いた。ピッチ、調律、フレージングなどなど。

本日のコンサートはバッハがどんな楽器を使っていたか考えた、とのことで、当時使われていない楽器のための曲は書けない。同じバッハの作品でも時代が異なるものはそれに合わせた楽器を3本を使用する。--と、ここで実際に吹いてみせた。
現代の楽器で演奏するのは間違った道具を使っているということで、それは私の仕事ではない(と言い切った)。古楽演奏は、そのような同じ質問を考え続け、その人にとって良い答えが導かれるのだ。50年前、50年後には変わっているかもしれないが。

というような内容だった。りり子女史の通訳はバルトルドの簡単な英語をさらに豊かにフォローしてたもよう(^O^;) 師弟ならではというところですかね。

演奏本編はトークに沿って、作品によってフルートを使い分けたものだった。
「無伴奏フルート」は3本の中では一番古く低音がよく響く楽器。その次の時代はもっとアクティヴな音が出るものとなる。「フルートと通奏低音のためのソナタ」BWV1035は晩年に作られた曲で、高音がよく出る楽器を使用。

古楽の演奏も今では色々意見や立場があり、クイケン兄弟も後進から槍玉に上げられたりするが、バルトルドが一徹に通してきたポリシーをひしと感じさせる内容だった。
といっても演奏自体は柔軟な響きにあふれていたし、渡邊氏との共演も息ピッタリであった。

ただ、鍵盤一緒でも笛一本というのはさすがに会場広過ぎである。もう少し狭い所で聞きたかったなあ(~o~)

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2018年1月 2日 (火)

「アリーン・ジルベライシュと仲間たち」:夜中に走るチェンバロ

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演奏:アリーン・ジルベライシュ、平尾雅子、山岡重治
会場:近江楽堂
2017年11月21日

ジルベライシュ女史はフランスの鍵盤奏者、ル・パルルマン・ド・ムジークにも属し、主催者のマルタン・ジェステルの奥さんでもある。
平尾&山岡ご両人はオランダ留学時に知り合い(彼女は教える側)、親しく付き合っていたのとのこと。

その後、クープランの録音を出す際に弾いてもらおうと、数十年ぶりに連絡したら快諾してくれたということらしい。

この日のプログラムではクープランだけでなくデュパール、ダングルベール、ド・ラ・パール、マレの作品も入れて、「フランスのクラヴサン曲と合奏曲」というサブタイトル付きだった。

チェンバロは専門家には有名な「モンキー・チェンバロ」(猿の絵が装飾に使われている)で、スコット・ロスも使用した楽器らしい。なぜそれが日本に来たのかね
この楽器に合ったピッチは404のため、山岡氏はなんとそれに合わせてリコーダーを制作したとのこと。

3人の合奏やチェンバロ独奏など様々な組合せで曲が次々と演奏され、親密な空間で奏者の関係をそのまま映し出すような、味わいある親密なアンサンブルを聞かせてもらった。これらの作品が作られ演奏された時もこんな感じだったのだろうなと思わせる。


ところで、チェンバロの脚の部分は「猿」ではなくて黄金色で山羊(?)のヒヅメが付いていた。写真撮っておけばよかったなあ。(撮影禁止だったかも
誰もいない真夜中に部屋の中走り回ってたりして(^O^)


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2018年1月 1日 (月)

聞かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 1月版

もう正月もめでたくもなんともなくなってしまってから幾歳月か……

*6日(土)イタリアの香り(向江昭雅&平井み帆):近江楽堂
*  〃  夢見る女(石橋輝樹ほか): 〃
*  〃  リクレアツィオン・ダルカディア:浦安音楽ホール
*14日(日)ヘンデル テオドーラ(ヘンデル・フェスティバル・ジャパン):浜離宮朝日ホール
*19日(金)フランス・バロック ヴィオル・デュオ(平尾雅子&福沢宏):近江楽堂

これ以外には、サイドバーの「古楽系コンサート情報」をご覧くだせえ。

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