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2018年3月 9日 (金)

「サイモン・スタンデイジと仲間たち」:BCJの陰で大盛りだくさん

180309
会場:所沢ミューズ キューブホール
2018年2月12日

かつてのイングリッシュ・コンサートでの活躍も懐かしい、サイモン・スタンデイジが再来日。日本の若手演奏家と公演を行った。おっと、第2ヴァイオリンの天野寿彦やチェロの懸田貴嗣はもはやベテランの域ですね。
会場のキューブホールは真四角で、座席の配置からして音の聞こえ方が場所によってムラがあるのでは(あとステージ上の見え方も)と思われるが、致し方ないだろう。

ほぼ協奏曲尽くしという感じで、ヴィヴァルディ、バッハ、ヴァレンティーニ、ヘンデルの作品に加え、前半では広瀬奈緒をゲスト歌手に迎えて、パーセルの「妖精の女王」の抜粋まで(!o!) 休憩入れて2時間半という、大変盛り沢山なプログラムであった。

スタンデイジは外見も動作も、もうおじーさんという印象だがヴァイオリンの音色は若々しかった
「妖精の女王」の「おお、泣かせてください」では、懸田氏のチェロとの掛け合いがしみじみと美しく泣けた(T_T)

また、ヘンデルの合奏協奏曲6-12はヴィヴァルディみたいにハッタリのきいた躍動感ある曲だが、昔NHK-FMでイングリッシュ・コンサートがどこかの古楽祭でやったライヴ録音を放送したことがあった。それを録音して(当時はカセットテープ)何度も繰り返し聞いていたので非常に懐かしかった。その生き生きとした躍動感は今でも変わってなかった。

ヴァレンティーニの作品では教育テレビにも出ていた丸山韶が、文字通りステージからはみ出さんばかりにして(実際体格大きいし)第3ヴァイオリンを弾いていた。もっとも、ちょっとはみ出し過ぎではないかとも思えたが……。(サイモンとの年齢差、もしかして半世紀ぐらい

この所沢の公演のみ、フランチェスコ・コルティという若い演奏家がチェンバロを弾いていた。ライアン・ゴズリングをちょっと長四角っぽくしたような顔である。
バッハのチェンバロ協奏曲での演奏がすごかった(☆o◎;) 速さとパワーの相乗、最後の「アレグロ」なんてまるで新幹線みたいな怒涛の勢いである。思わず会場からため息であった。

アンコールは再び広瀬女史が登場してヘンデルのオラトリオから。これほどの重量感ある内容だったのに客入りが今イチだったのは、やはりBCJの「ヨハネ」と重なってしまったせいもあるだろう。残念であります(>_<)

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