「スリー・ビルボード」:ファイア・パトロール 非のない所に看板は立たぬ
監督:マーティン・マクドナー
出演:フランシス・マクドーマンド
イギリス・米国2017年
町はずれに立つ、3枚の古く巨大な赤い看板。そこにレイプ殺人の事件捜査が遅々として進まぬことへの警察批判が掲げられた。怒り発心で広告会社に依頼したのは、被害者の母親である。田舎町は大騒動に……。
こりゃ面白そうだ。おまけに映画賞に幾つもノミネートされ、二人の役者はアカデミー賞大本命(私が見た時点では。その後受賞した)。詰まらないはずがない
しかし、期待は裏切られたのだよ(ーー;)
極端な設定で話を次々と展開していくのはいいけど、いかんせんわざと過ぎるところが目立ちすぎませんか(^^?)
署長はあんなにマメに手紙を書いたんだから、ついでに新聞社に「今回の件は彼女と関係ありません」ぐらい送ってやれよ。→主人公、さらに窮地に。
犯罪者でもない人を一人窓からブン投げてお咎めなしの警官。いや、これは米国のド田舎は実際そんなもんかも(>y<;)コワー
そしてブン投げられても許す男。ここは感動的場面と決まっている。
さらに改心する男。ここも上書きで感動だ。
突然の鹿登場。抒情的場面(やはり感動)。
それから火事……私は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の冒頭で、小枝グルートが踊ってる場面を思い出して笑ってしまった。だって、あれで気付かないって不自然じゃないの あと「裏口はないのか?」とも思っちゃった。
監督脚本は英国人の劇作家らしいが、わざと不自然なほどに極端な設定をした上で、それをひっくり返すような行動をさせたり、異なる一面を見せれば感動が生まれる--というのが彼の作劇術なのかね。
まあ、自分の性格&体質に合わんものを見てしまった(+o+)ということで仕方なかろう。
それでも役者の方々の演技は立派。主役のフランシス・マクドーマンドと「悪い警官」役のサム・ロックウェルがオスカーを手にしたが、特にマクドーマンドの後ろ頭の剃り上げがスゴイ 触ればジョリジョリと手に刺さりそう。
ルーカス・ヘッジズが真面目な息子役で地味ながら登場。実はこの子が一番とばっちり受けてんじゃないの?という印象だった。
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