ヘンデル「アルチーナ」:美魔女じゃダメかしらん

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
演出:エヴァ・ブッフマン
指揮:鈴木秀美
開場:めぐろパーシモンホール
2018年5月19・20日
二期会が若手の歌手を起用してバロック・オペラをやるのは、同じくヘンデルの『ジューリオ・チェーザレ』以来である。
予算方面が苦しいところがあってなかなか開催できない、というチラシがプログラムと共に入っていて色々と大変そうである。
『アルチーナ』自体はヘンデル・フェスティバル・ジャパンでも鑑賞した。
今回は、オーケストラは鈴木秀美指揮で古楽系演奏家で固め、歌手は二期会の若手(ダブルキャストで私が行ったのは20日の方)、演出、装置、衣装はオランダから招いた(3人とも女性)という形だった。
魔女アルチーナは最初から熟女マダ~ム
みたいなイメージ。セットの中に寝台もあって、ウブな若者ルッジェーロ(登場時は高校の制服みたいな格好)を愛欲でたぶらかし……という濃厚味で開始したのであった。
しかも彼女の頭には赤のハート形のようなカツラが乗っかっている。「ああ、これはラストでこのカツラがぽろっと落ちるんだろうな」と思ってたら、ポロッではなかったけど予想通りになった。まあ、誰でも予想つくだろうけど。
それに反比例するかのように、ルッジェーロはダラけた高校生から段々と紳士風の服装になっていく。
かように衣装やカツラ、靴などに色々と意味が隠されているようなのだ。さらに、妹魔女のモルガーナは登場時からわざとカツラとって見せたり、ブーツを履くのをことさら強調したり、ブトウやバナナをもぐもぐ食べてたりする。(舞台上でバナナ
完食したのには驚いた)
その意味は見てて分かるような気がするが、分からないような気もする。
今まで散々男たちをたぶらかして動物に変えてきた魔女が、「一人前」の大人の男となった若者に、初めて裏切られて煩悶し破滅する--というのは、ヘンデル先生作品の解釈として正しいかどうかは不明である。
しかし、大掛かりな装置を使ったバロックオペラというのは滅多にないので、見られただけでもありがたいという気分であった。
オーケストラは前回ちょっと不満なところがあったが、今回はヘンデル節がよーく発揮できていた。ピットを休憩中に覗いたら、やはり全体にマイクがセッティングされていた。そうでなければ、広い会場でピットに入っている佐藤亜紀子のテオルボ、あんなによく聞こえるわけないわな![]()
歌手の方々は「初めて二期会デビュー」などという若手もいたりして、出来は様々のようだったが、タイトルロールの渡邊仁美は「敗れ去る傲慢な熟魔女」を濃厚によく演じていたと思う。
資金獲得など大変かと思いますが、また次回の開催をお待ちしております(^o^)丿
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