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2018年9月17日 (月)

「名盤レコーディングから読み解くロックのウラ教科書」

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著者:中村公輔
リットーミュージック2018年

以前とあるバンドのアルバムを順に聞いてて、4枚目以降がどうも気に入らなくなってしまった。しかし、メンバーも曲調もアレンジも何も変化はないし、これといった欠点も見つからない。一体何が違うのか。何度聞いても分からないのである。だが、何かが異なる。
そして、唯一の違いはプロデューサーが変わったことだった。
このよく分からない変化はサウンド(漠然とした意味の)にあるのではないか--と感じたことから、この本を録音とか機材などは全く無知なのだが読んでみた。

知っている人は知ってるのかも知れんが、シロートには驚きの記述が続出。
生楽器と電気楽器の共演は録音でもライブでも難しい。
ギターの低音を有効に聞かせるために、ベースの音を消してしまうことあり。
パンチのある音になるよう音を大きく録音するために、音量を部分的に圧縮する。
バスドラムに性能の違う二本のマイクを離して立てて、後でその二つの音をミックスする手法あり。
出来上がったサウンドがどのように作られたのか、ミュージシャン自身にも分からないことがある。
楽器を鳴らす場所(スタジオ、ホール)も楽器の一部。
弦楽四重奏とオーケストラでは録音の手法は全く違う。
ストーンズ「シャイン・ア・ライト」で、C・ワッツは高齢のため強くキックを踏めないので、過去の自分の音源からバスドラの音を抜き出して差し替えた。(後から入れ替えたのではなくリアルタイムで)
サンプリング技術は進んでいて、素人には元の楽器の音と区別が付かない。
オートチューンの登場でヴォーカルのタイミング、ピッチ共に完全に修正できるようになった。
アナログレコードは音質が良いのは外周部分。内側に行くにつれ歪みが出る。

いやー、知らなかった!ことばかり。
プロデューサーが変わればエンジニアも交代するらしいので、音が変わるのは当然か。

スティーリー・ダンについて、私は「エイジャ」からどうも熱心に聞けなくなってしまったのだが、それはサウンド的に大きな変化があったからだろう。この本に取り上げられているのはその次の「ガウチョ」だが、もう一度聞き直してみるか。

また、クラシックの録音についてはどうなのだろうか。例えば、録音を小節ごとに切り貼りすることはあるのか。また音程の怪しい部分を修正したりとかは(^^?)
ロックやポップスほど、クラシックではプロデューサーやエンジニアについて語られないが(そもそもクレジットがない場合も)その存在はどうなのか。

私がクラシック……というか古楽の録音について疑問を感じるようになったのは、アンサンブル・クレマン・ジャヌカンを聞いてからである。多分、録音では彼らの演奏は十分の一ぐらいしか再現できていない。一体この差はなんなのだろうか。知りたいもんである。

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