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2018年10月30日 (火)

「沖縄スパイ戦史」:ホラーか現実か

181030 監督:三上智恵、大矢英代
日本2018年

離島の村に学校の先生がやって来た。若い男性でカッコ良くて優しく人気者となった。ある日突然、隠し持っていた軍刀を抜くまでは……。
これ、怖くないですか(>O<;) ホラー映画のネタになりそう。

戦争中の波照間島、若い男は皆戦争に行ってるから、いるのは年寄りと女子どもばかり。彼の命令通りに島を出ていくしかなかった。移住先はマラリアが蔓延する島で、多くの人がバタバタと亡くなっていったのだった。
その男の正体は陸軍中野学校(当時スパイを養成していた)の工作員だったのである

一方、沖縄本島では中野学校から正式に若い将校が派遣され、ミドルティーンの少年たちを集めてゲリラ戦やスパイ戦の訓練をした。米軍が上陸して来た時に狙撃したり、わざと投降して潜入し、食料庫や弾薬庫を爆破したという。
その少年兵の部隊を作ったのは降伏の一年前。そんな時から、上陸してくる米軍へのゲリラ戦を予測していた作戦を練ったのかのかというのにまた驚く。

さらに別の地域では、山に隠れた敗残兵が米軍のスパイと思われる人物のリストを作成して殺していく。地元の有力者や教師が「国士隊」を作り協力。かくして住民同士で監視・密告・殺害が起こる。
しかし、このような事実は最近まで協力者が生き残っていたので明らかに出来なかったという。

以上のように3本のTVドキュメンタリーをつなげたような作りになっているが、全て事実というインパクトは十分すぎるほどである。こんな恐怖映画のような話を取材できた二人の監督には感心する。(やはりTV界の人らしいが)

これらの作戦は沖縄の後の「本土決戦」に向けての予行実践であった。決して住民を救うためのものではない。いざとなれば使い捨てだ。映画は、そこから現在の沖縄での自衛隊基地配備への是非へと繋がっていくのであった。
映画のタイトルはもうちょっとなんとかしてほしかった。内容に合っていないし、見る気が減退しそう

 

 

 

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