
フランソワ・クープラン生誕350年記念演奏会
演奏:廣江理枝ほか
会場:東京藝術大学奏楽堂
2018年10月21日
いよいよクープラン祭りも佳境となってまいりました
こちらは泣くアーティストも黙る東京藝大、その「上野の森オルガンシリーズ」の一環として、ここ奏楽堂でもクープラン祭りが行なわれようとしております。
まずはプレトーク開始、オルガン専攻教授廣江理枝と古楽専攻教授大塚直哉がステージ上に登場です。
前半の曲目について大塚氏が解説。「王宮のコンセール」は楽器指定なくて、様々な編成で演奏できるとか、「クラヴサン奏法」は教則本で原タイトルは「チェンバロの触り方」だというようなお話に続き、進行上大塚氏が今度は質問役に回り、廣江氏から後半の「教区のためのミサ曲」について。オルガンのストップの説明がありました。
遂に本番開始です。大塚+前田りり子で「王宮のコンセール」、次はポシティフ・オルガンに変えて野々下由香里ソプラノで「ルソン・ド・テネーブル」を。
聴衆はウットリ
と聞き入り--と言いたいところですが、会場が少人数編成には向いていないため今一つ隔靴掻痒な響き。折角のフラウト・トラヴェルソの繊細な音も「遠い……
」であります。
その後はチェンバロ独奏で「クラヴサン奏法」と「クラヴサン曲集」より。前者からの演奏は珍しいでしょうか(^^?) やはり音量的にはキビシイものがありながらも、大塚氏の熟練した指先より奏でられる夢見るような調べに今度こそ聴衆もウットリ
--と言いたいところですが、休日昼下がりという時間帯ゆえ眠気虫の一部発生を見たのは致し方ないところでありましょう。
後半戦はこの奏楽堂が誇るガルニエ・オルガンによる「教区のためのミサ曲」であります。側面から援護ということか、休憩中にはオルガン専攻(?)の学生さんによるこのオルガンのCD販売もありましたが、いかんせん声が小さい。若者よ覇気を持て
売って売って売りまくれと言いたい。
あ、いや私はCD買ったわけではありませんがね……(声が小さくなる)
正面の大オルガンに廣江氏、左側のバルコニー席に春日保人氏と声楽科の学生さん2名が聖歌隊として陣取り、おお気分はまるで教会であります。下の客席にいるのは不信心者ばかりだがな~(@∀@)
曲はオルガンがミサの一節を引けば、それを引き取るように続いて単旋律聖歌を聖歌隊が歌うという趣向。ただオルガン部分はクープランが作曲したものだから、そこだけ聞いてもどの部分にあたるのかは分かりません。しかし、節ごとに様々なストップを使用して華麗な変化を楽しめるという次第です。やはりパイプオルガンの大迫力はすごいと感心致しました。
クープラン祭りということで、今年は数多くのコンサートが行なわれましたが、このような曲が聞けるのは珍しいことであります。
さすが藝大ヽ(^o^)丿国立だけはある\(◎o◎)/!
とヨイショして持ち上げた
ところでこの実況を終わらせていただきます。皆様また次回をお楽しみに(@^^)/~~~
しかし、最後にちょっと文句を言いたい。藝大奏楽堂は1100人収容、それなのになぜ1800人収容の東京オペラシティコンサートホールより聞こえが悪いのか。残響が音楽ホールとしては少ないためだろうか。
想像するに、他の用途にも利用できるように講堂的な目的で作ったのではないか。結果音楽ホールとしては残念な音響に(+_+) 折角の芸術大学なのにねえ。
トイレや通路の広さ・配置など施設面はよく出来ているのにモッタイナ~イ