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2018年11月

2018年11月30日 (金)

聞かねばならない時もある マイナー・コンサート 12月版

ドトーのようなコンサートラッシュも終了……と思ったら、12月もかなりのもんです。

*7日(金)モンテヴェルディマドリガーレ集全曲演奏シリーズ 戦いと愛のマドリガーレ(ラ・フォンテヴェルデ):浜離宮朝日ホール
*8日(土)パンジャマン・アラール:武蔵野市民文化会館
*11日(火)ラケル・アンドゥエサ&ラ・ガラニア:王子ホール
*12日(水)ヴェラチーニのリコーダーソナタ(本村睦幸ほか):近江楽堂
*  〃   桒形亜樹子チェンバロリサイタル:原宿教会
*14日(金)愛と哀しみの歌 古の想い時を超えて(鈴木美登里ほか):近江楽堂
*18日(火)アンドレアス・シュタイアー:トッパンホール
*  〃   スパニッシュ・プログレッシヴ・バロック(メディオ・レジストロ):近江楽堂
*20日(木)パイプオルガンコンサート23 クリスマスに贈る真夜中のミサ(小林英之ほか):東京芸術劇場
*22日(土)木の器クリスマスコンサート2018(広瀬奈緒ほか):近江楽堂
*24日(月)古楽器によるトリオとカルテットのクリスマス(佐々木華ほか):近江楽堂
*27日(木)中世ヨーロッパとアラブの邂逅2(ジョングルール・ボン・ミュジシャン):音や金時
*29日(土)テレマン ハンブルク四重奏曲集全曲演奏会(新井道代ほか):スペース415

9日深夜にNHK-BSプレミアムシアターでヘンリー・パーセル歌劇「ミランダ」(世界初演)放送あり。これは(^^?一応録画ですかね。

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「HBS333 ヘンデル・バッハ・スカルラッティ生誕333周年記念」:人気のない街角にヘンデルの美メロ流れる

181130
演奏:エクス・ノーヴォ室内合唱団演奏会
会場:JTアートホールアフィニス
2018年11月3日

祭りはクープランだけぢゃないんだよ 「HBS333」をお忘れなく\(◎o◎)/!
生まれた年が同じ3人の作曲家(没年は違う)、ちょうど縁起がいい(?)333周年ということで、各地で記念コンサートが行なわれております。
前回のモンテヴェルディがよかったこのグループもHBSするというので行ってみた。

この日もプレトークがありヘンデル研究者の三ヶ尻正が登場して、3人の作曲の比較や個々の作品を解説した。しかし、作成してきたパワポの画像が時間に比して多過ぎ……。どう見ても1分間に1枚は送っていかないと間に合わないぐらいなのに、そうは行かずにあっという間に時間切れとなってしまった。

共通のテーマはカトリック音楽。この3人で、なんでそうなるの(?_?)という感じだが、最初のバッハ作品はパレストリーナのミサ曲を彼が編曲した「ミサ・シネ・ノミネ」であった。合唱(11人?)はもちろん、器楽隊も全員総出演。
トロンボーン3本も入って華々しい響きだった。もっとも、ミサと言えどキリエとグローリアしかないのでこの曲が一番短かった。

次のドメニコ・スカルラッティ「スターバト・マーテル」は合唱とオルガン、テオルボ2本のみ。彼の名を聞けばただちにチェンバロ曲、となるがこんな宗教合唱曲を作っていたとは知らなかった。リスボンの地震で楽譜が失われたことで構成にあまり伝わっていないとのことだ。
十声の作品だが1人1パートで歌うので大変そう。どうも全体的にひねくれている展開で、聞いてて「快」の方向には決して行かない。なんだかはじき飛ばされそう。

後半はヘンデル「ディクシット・ドミヌス」一曲だった。これが本日のメインメニューと思われる。
若きヘンデルがイタリア修行中に注文された曲とのことで、背景には当時の政治状況が色々とあったらしい。

全八曲から成り、合唱の曲とソリストが出て歌うもので展開する。後年のヘンデル節が既に炸裂 ラストの「父と子と聖霊に栄光あれ」は非常に複雑な合唱曲で聞いていて目が(耳が)くらみそう(@_@;) よくぞ歌い切ったという感動に会場は拍手喝采となった。
しかし、指揮の福島康晴はこれをもう一度アンコールでやらせるというのは、サディストですかな)^o^(
器楽隊は六曲目の「あなたの右におられる主は」が、早いフレーズを畳み掛けるようにして勇ましい調子へと持って行ったのがお見事だった。

次回は親の方のスカルラッティをやるらしい。また行きたいと思う。

さて、この会場来たのは初めてだったのだが、レセプション会場みたいな所の床に椅子を並べて音楽ホールとして使用してるのね。まあ音的には文句はなかったけど。
土曜なので本来は昼公演だったらしいが、来日して東京だけコンサートがなかった某海外グループのシークレット演奏会が急きょ入ったらしくて、夜になったもよう。


周囲は完全オフィス街なので、土曜の夕方なのに歩道に人影が全くないのに驚いた
店も開いているのはコンビニとすき屋だけ。まるでゴーストタウンである。


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2018年11月28日 (水)

「1987、ある闘いの真実」:倒れざる死者

監督:チャン・ジュナン
出演:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ
韓国2017年

軍事政権時代の韓国で起こった事件に基づくゴリゴリの社会派映画。民主化運動に関わっていた学生が逮捕されて拷問死する。捕えた側の対共捜査所長は隠蔽しようとするが、徐々に真相が明らかにされる。
制作は前政権下で密かに始動したそうだが、役者は大物やスターが出演している。非常に見ごたえあり。

完全に群像劇で、検事、所長、捜査員、看守、その姪の学生、記者……など、その事件に巻き込まれていく人々の動きを並行して描いている。
執念といってもいいほどの意志で真相を明らかにしようとする検事や記者がいれば、その正反対の極には脱北してきて、共産主義者を決して許さない所長のような人物もいる。たった数十年前にこれほどの憎悪があったのに、南北和解なんて可能なのかと思ってしまうほどだ。

一方、その両極の間で翻弄される人々もいる。「実行犯」として収監される捜査員もある意味そうである。一方、揺れ動く状況の中で民主化運動へと向かっていく者を象徴するように描かれているのが、女子学生のヨニだ。
彼女について、映画評論家のM山氏が「イケメンの学生運動家に釣られて運動に参加した」という意味の発言したそうだが、映画をちゃんと見ていればそれが完全に間違っていることは明らかだろう。こんないい加減なこと言うと、他の映画についての解釈も疑わしくなっちゃうね。

念のため監督の発言を引用しておく。
「彼女は多くの葛藤を経て変化していくのですが、他の人によって変えられたのではなく、自分で考え、変わっていった。それが重要なのだと思います」(「ビッグイシュー」誌341号より)

ラストまで見ると、その力技に思わず感動の涙が流れるのであった(T_T)
なお、恐ろしい拷問場面が複数回出てくるのでその手の映像が苦手な人は避けた方がいいかも。あと、作中にはないが女子に対してはもっと恐ろしい拷問をやったらしい(>O<)ウギャー

 

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2018年11月23日 (金)

「「演劇の街」をつくった男 本多一夫と下北沢」

181123
本多一夫、徳永京子著
ぴあ2018年

あの本多劇場など8つも劇場を下北沢に作った人物の聞き書き。まさに小劇場時代から現在に至る演劇史の一端を覗き見る気分である。
映画俳優を目指すも失敗→飲食業界で大儲け→劇場作りへ情熱を傾ける、という波乱ありまくりな半生に驚く。
本多劇場については、演劇の劇場と音楽ホールは音響が全く違うということが書いてあって、大いに頷けた。どっちつかずは音楽と演劇双方から困るのよ~。

しかし、巻末の役者たち(錚々たるメンバー)のインタビューにちょこっと名前が出てくる酒井裕子というスタッフの人が、かなり重要な役割を担っていたのではないかとうかがえるのだが、その人への取材はない。

あと個人的には、インタビューに登場している人たちが、古田新太を除いてあまり見ていないのが我ながら意外だった。これでも一時期は週に3回芝居見てたりしたんだけどね……。
確かに下北だけであの時代の演劇が回っていたわけではない。私がよく見ていた劇団は下北をベースにしていたのではなかったのだろう。
何も知らずにこの本だけ読むと、劇団はみんな下北を目指していて運動の中心体みたいな印象を受けてしまうかも知れない。
それと夢の遊眠社は当時絶大な人気があったが(今も人気あるけど)、私はああいうタイプの芝居が全くダメで、受け付けない体質だった。そういう個人的な事情もある。

一方で、当時あった他のホールが結構なくなってしまったという話にハッと思った。シアター・トップス、青山劇場・円形劇場などなど--やはり継続しているというのは大変なことである。同時に自治体による公立ホールが増えてきて状況の変化があるという。

下北沢にはもう何年も行っていない。あそこで一番行ったのは多分ザ・スズナリだろう。また行くことがあるだろうか。


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2018年11月21日 (水)

「マハのまなざし」:美人迫命

181121
バロック&近代歌曲コレクション
演奏:ロベルタ・マメリ&つのだたかし
会場:ハクジャホール
2018年10月31日

久し振りにロベルタ・マメリを聞いてみようという気になった。初めて彼女を聞いたのはラ・ヴェネシアーナの一員として10年以上前のこれこれだと思う。
当時はまだ若手という感じだった。
しかし、この日登場したロベルタはもはや「大物」感さえ漂う貫禄あり。あ、身長も高いので、つのだたかしと並ぶと……)^o^(

サブタイトル通り、前半は(初期)イタリア・バロックで後半は20世紀のスペイン・南米の歌曲が歌われた。当然つのだたかしもリュート&テオルボから、ギターへと持ち替え。
青のドレスから黒へ衣装を変えただけでなく、髪型・化粧でも変身。しかし、表現の激情さは変わりなかった。

バロック曲はストロッツィやモンテヴェルディなど定番曲が多く、その歌声で客席を有無を言わせずにいずこへか運んで行ったという印象。特にカッチーニの「アマリッリ」には、もう何度も色んな歌手で聞いているのに切実さと迫力に泣けました

後半の近代歌曲編は聞くの初めて。グラナドス、プーランク、ピアソラなど。曲に含まれる情念を目いっぱい引き出して、濃厚な世界にはまっていくようであった。
ただ、個人的には近代ものはもう少しアッサリしたのが好みである。

アンコールでは武満徹をやってウケていた。
やはり歌詞が字幕で出るのはいいですね(^^) 年齢と共に円熟味と力強さが加わった彼女の出るバロック・オペラ、また見たい(聞きたい)もんである。


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2018年11月18日 (日)

「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」:愛と友情のオンザライン

181118 監督:ヤヌス・メッツ
出演:スヴェリル・グドナソン、シャイア・ラブーフ
スウェーデン・デンマーク・フィンランド2017年

テニスが題材の映画というと、つい最近は『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』があった。スポーツものがブーム?のせいか、テニス以外でも『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』がやはり今年公開された。
格別プロテニスに興味がなくともみんな名前は知っているこの二人を題材にしたこの作品、しかし一番似ているのは『ラッシュ/プライドと友情』だという事前の下馬評が流れていて、実際見てみるとなるほどそうだった。

片や冷静沈着派のボルグ、片やキレやすい悪童のマッケンロー--と、性格も生育環境も正反対ながら、実は根っこの所ではよく似ているというのが交互に描かれる。それを最後にウィンブルドン決勝の死闘へと持って行き、二人の選手の存在と関係を浮かび上がらせるという次第である。
延長戦に次ぐ延長戦でなかなか決着が付かない試合の場面は圧巻といえるだろう。結果が分かっていても、見ててハラドキしてしまう。主役の二人ともお見事である。

ただしこの映画の製作国を見ればわかるように、対等に描かれていても主人公はあくまでもボルグの方だ。
冷淡な父親に代わるコーチの存在、試合の前に行う過剰なまでのゲン担ぎなどなど「天才はつらいよ」状態が描かれる。この時、スヴェリル・グドナソン演じる主人公は、重圧のためにまるでふるふる震えている薄い影のように見える。
グドナソンはボルグにソックリな超二枚目で、「ミレニアム」シリーズ新作に出てるというからこれからの活躍に期待ですね(^^)b

彼らは大人になってからは対称的でも子どもの頃は似ているというのがこの映画では描かれるが、父子関係については完全に異なっているように思えた。(あまりそこは明確に描かれていない)
どうでもいいことだが、ボルグの父親役の人は西田敏行にクリソツだった。本当にどーでもいいですね(^^ゞ
なお、ボルグの少年時代をやってるのはご当人の本物の息子だそうな。テニスうまいのも当然か……。

監督は秀作ドキュメンタリー『アルマジロ』を撮った人で、劇映画でも軽く及第点越えだろう。ただ、音楽が仰々しいのも同じだった。なんとかしてくれ。

さて、ボルグとマッケンローが偶然顔を合わせて親交を温めあい二人だけの世界に突入--という光景をボルグの奥さんが複雑な表情で眺める場面がある。
となると、『マルクス・エンゲルス』同様に、フ女子ならずとも「で、どっちが攻めでどっちが受けなんですか~(^^?)」と聞きたくなってしまうのであった。

 

 

 

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2018年11月11日 (日)

「フライブルク・バロック・オーケストラ mit キャロリン・サンプソン」:女3人寄れば

181111a
会場:トッパンホール
2018年10月22日

キャロリン・サンプソンとFBOの組合せと言えば少し前にバッハの「結婚カンタータ」の録音が出ていた。今回それとほぼ同じプログラムで来日。東京では2回公演があって、わたしはトッパンホール(久し振り!)の方に行った。

複数コンマス交代制を取るこのグループ、今回はA・K・シュライバーという見た目は小柄なオバサンな人が担当である。
冒頭はバッハ先生の「はとこ」にあたるというヨハン・ベルンハルト・バッハの「管弦楽組曲」で耳慣らし。テレマンのいたアイゼナハで活躍していたそうな。バッハ先生より遥かに地味な印象だが、ライプツィヒで演奏されたことがあるとのこと。

ここからキャロリン登場。CDにも入っているBWV199、ワイマール時代の曲だそうで、第4曲のアリアでは低音の弦は流動する雑音のような響きを発するけど、美しいソプラノとの組み合わせで快に転じる。
また第6曲のヴィオラだけがバックに回るコラールも、組合せの妙だった。

後半はまずオーボエが主役の「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」から。「2台のためのチェンバロ~」BWV1060の原曲とされている。
オーボエ独奏者はカタリーナ・アルフケン、大柄な女性でヴァイオリンのシュライバーと身長20センチは差がある。あまりに大柄なので持っているオーボエがソプラノリコーダーに見えるほど……(^Q^;;)ナンチャッテ
小柄でも爆発パワーのシュライバーとの、二人の掛け合いが躍動的だった。

再びキャロリンが出てきて、いよっ待ってましたの「結婚カンタータ」である。バッハ先生の作品の中でもとりわけ明るく美しい曲が、彼女の澄んだ声によって会場を満たした(トッパンホールもちょうど心地よい響き)。オーボエも絡むように活躍。器楽陣は強固さと柔軟さを併せ持ち、聞いていて幸せな気分になれたのであった。
しかし、この曲が演奏された結婚式が誰のものなのか記録に残されていないそうだが、音楽史に残る幸福なカップルに違いない。

かように非常に満足できたコンサートだった。
ところで、数年前のベルリン古楽アカデミーの公演で活躍していたリュートのリー・サンタナがここにも出現していた。CDでは参加していないけど……人気者なのか(^^?)
関係ないけど、二人いるチェロ奏者のうち若い女の人の方、エマ・ワトソンに似てましたな(^o^)丿 本当にどーでもいいことですが。

↓演奏された2曲のカンタータが収録のCD。これでキャロリンの魅力にはまるのじゃ。
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↓こちらではアルフケンのオーボエが活躍。
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2018年11月 7日 (水)

「アントマン&ワスプ」:スモール・オア・ラージ 値段は同じ

181107 監督:ペイトン・リード
出演:ポール・ラッド
米国2018年

第1作目「アントマン」は未見だった。ところが、この続編が米国で公開されるとエラい人気で、しかも予告(の断片)を見ると面白そう。
しかし1作目を見てないんでは話にならないということで、急きょレンタルで借りて見たのである。そしたら実際面白いではないですかヽ(^o^)丿
で予習もバッチリ 意気込んで映画館に行った……が。

バツイチで娘とは別居中のスコットはヒョンなことから身の丈1.5センチのアントマンになって大活躍。その仕組みはナノ粒子とか量子世界がなんたらとか説明あったようなのだが、徹底した文系脳の私には理解不能なので省略する。
ところが前作の後に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が勃発して参戦し、とばっちりを受けてFBIにより自宅軟禁状態となるのであった。

そこに新たな敵が現れトラブル発生になり、いかにFBIの目をかわして大きくなったり小さくなったりしつつ戦って暴れられるかが見どころ。
その間にも、M・ペーニャのギャグ攻撃あり、特出M・ファイファー驚愕の若さの秘密問題など発生。
しかし、アクション場面の一番面白い所はほとんど予告で見ちゃったような気が……。それと個々のギャグや要素が単独では面白いんだけど、全体として見ると詰め込み過ぎ?と思わざるを得ない。
折角のローレンス・フィッシュバーンもあまり生かされてなくて、もったいない印象である。

見終わって振り返ると、前作は世界の運命を決する闘いが繰り広げられるのが子ども部屋の中とか、巨大で暴走する「きかんしゃトーマス」がコテッとなったりというギャップが面白かったのだが、今回はあまりそういうのがない。
いや、キティちゃんや表の騒ぎに気付かないカフェの中の客というのはあったものの今一つなのだった。
前回では大きかった主人公の家庭関係の部分も、問題なしになっちゃったしな。
理由は何かというと、脚本家(エドガー・ライト)交代のせいなのかね(?_?)

このように個人的には盛り上がれなかったのだが、エンドロールが始まってすぐに挿入されたシーンは……ええっ、よもやの『アベンジャーズ』に繋がるのか
こりゃ大変だ~\(-o-)/
というわけで続く大活躍が期待されるのであった。正直『シビル・ウォー』では小者感(いや実際「小者」なんだけど)強かったからな。

ところで、小さくなった時って質量はどうなるの?大きさに比例するのか。ということは悪漢を投げ飛ばすのは普通サイズで、その次の瞬間に小さくなってるってことですな。

 

 

 

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2018年11月 4日 (日)

「クープラン賛」:祭りは進行中

181104
フランソワ・クープラン生誕350年記念演奏会
演奏:廣江理枝ほか
会場:東京藝術大学奏楽堂
2018年10月21日

いよいよクープラン祭りも佳境となってまいりました
こちらは泣くアーティストも黙る東京藝大、その「上野の森オルガンシリーズ」の一環として、ここ奏楽堂でもクープラン祭りが行なわれようとしております。
まずはプレトーク開始、オルガン専攻教授廣江理枝と古楽専攻教授大塚直哉がステージ上に登場です。

前半の曲目について大塚氏が解説。「王宮のコンセール」は楽器指定なくて、様々な編成で演奏できるとか、「クラヴサン奏法」は教則本で原タイトルは「チェンバロの触り方」だというようなお話に続き、進行上大塚氏が今度は質問役に回り、廣江氏から後半の「教区のためのミサ曲」について。オルガンのストップの説明がありました。

遂に本番開始です。大塚+前田りり子で「王宮のコンセール」、次はポシティフ・オルガンに変えて野々下由香里ソプラノで「ルソン・ド・テネーブル」を。
聴衆はウットリと聞き入り--と言いたいところですが、会場が少人数編成には向いていないため今一つ隔靴掻痒な響き。折角のフラウト・トラヴェルソの繊細な音も「遠い……」であります。

その後はチェンバロ独奏で「クラヴサン奏法」と「クラヴサン曲集」より。前者からの演奏は珍しいでしょうか(^^?) やはり音量的にはキビシイものがありながらも、大塚氏の熟練した指先より奏でられる夢見るような調べに今度こそ聴衆もウットリ--と言いたいところですが、休日昼下がりという時間帯ゆえ眠気虫の一部発生を見たのは致し方ないところでありましょう。

後半戦はこの奏楽堂が誇るガルニエ・オルガンによる「教区のためのミサ曲」であります。側面から援護ということか、休憩中にはオルガン専攻(?)の学生さんによるこのオルガンのCD販売もありましたが、いかんせん声が小さい。若者よ覇気を持て売って売って売りまくれと言いたい。
あ、いや私はCD買ったわけではありませんがね……(声が小さくなる)

正面の大オルガンに廣江氏、左側のバルコニー席に春日保人氏と声楽科の学生さん2名が聖歌隊として陣取り、おお気分はまるで教会であります。下の客席にいるのは不信心者ばかりだがな~(@∀@)

曲はオルガンがミサの一節を引けば、それを引き取るように続いて単旋律聖歌を聖歌隊が歌うという趣向。ただオルガン部分はクープランが作曲したものだから、そこだけ聞いてもどの部分にあたるのかは分かりません。しかし、節ごとに様々なストップを使用して華麗な変化を楽しめるという次第です。やはりパイプオルガンの大迫力はすごいと感心致しました。
クープラン祭りということで、今年は数多くのコンサートが行なわれましたが、このような曲が聞けるのは珍しいことであります。
さすが藝大ヽ(^o^)丿国立だけはある\(◎o◎)/!

とヨイショして持ち上げたところでこの実況を終わらせていただきます。皆様また次回をお楽しみに(@^^)/~~~

しかし、最後にちょっと文句を言いたい。藝大奏楽堂は1100人収容、それなのになぜ1800人収容の東京オペラシティコンサートホールより聞こえが悪いのか。残響が音楽ホールとしては少ないためだろうか。
想像するに、他の用途にも利用できるように講堂的な目的で作ったのではないか。結果音楽ホールとしては残念な音響に(+_+) 折角の芸術大学なのにねえ。
トイレや通路の広さ・配置など施設面はよく出来ているのにモッタイナ~イ

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