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2018年11月18日 (日)

「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」:愛と友情のオンザライン

181118 監督:ヤヌス・メッツ
出演:スヴェリル・グドナソン、シャイア・ラブーフ
スウェーデン・デンマーク・フィンランド2017年

テニスが題材の映画というと、つい最近は『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』があった。スポーツものがブーム?のせいか、テニス以外でも『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』がやはり今年公開された。
格別プロテニスに興味がなくともみんな名前は知っているこの二人を題材にしたこの作品、しかし一番似ているのは『ラッシュ/プライドと友情』だという事前の下馬評が流れていて、実際見てみるとなるほどそうだった。

片や冷静沈着派のボルグ、片やキレやすい悪童のマッケンロー--と、性格も生育環境も正反対ながら、実は根っこの所ではよく似ているというのが交互に描かれる。それを最後にウィンブルドン決勝の死闘へと持って行き、二人の選手の存在と関係を浮かび上がらせるという次第である。
延長戦に次ぐ延長戦でなかなか決着が付かない試合の場面は圧巻といえるだろう。結果が分かっていても、見ててハラドキしてしまう。主役の二人ともお見事である。

ただしこの映画の製作国を見ればわかるように、対等に描かれていても主人公はあくまでもボルグの方だ。
冷淡な父親に代わるコーチの存在、試合の前に行う過剰なまでのゲン担ぎなどなど「天才はつらいよ」状態が描かれる。この時、スヴェリル・グドナソン演じる主人公は、重圧のためにまるでふるふる震えている薄い影のように見える。
グドナソンはボルグにソックリな超二枚目で、「ミレニアム」シリーズ新作に出てるというからこれからの活躍に期待ですね(^^)b

彼らは大人になってからは対称的でも子どもの頃は似ているというのがこの映画では描かれるが、父子関係については完全に異なっているように思えた。(あまりそこは明確に描かれていない)
どうでもいいことだが、ボルグの父親役の人は西田敏行にクリソツだった。本当にどーでもいいですね(^^ゞ
なお、ボルグの少年時代をやってるのはご当人の本物の息子だそうな。テニスうまいのも当然か……。

監督は秀作ドキュメンタリー『アルマジロ』を撮った人で、劇映画でも軽く及第点越えだろう。ただ、音楽が仰々しいのも同じだった。なんとかしてくれ。

さて、ボルグとマッケンローが偶然顔を合わせて親交を温めあい二人だけの世界に突入--という光景をボルグの奥さんが複雑な表情で眺める場面がある。
となると、『マルクス・エンゲルス』同様に、フ女子ならずとも「で、どっちが攻めでどっちが受けなんですか~(^^?)」と聞きたくなってしまうのであった。

 

 

 

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