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2018年12月

2018年12月 9日 (日)

「カペラ・デ・ラ・トーレ」:昔の管楽器で古い曲を吹けば

会場:武蔵野市民文化会館
2018年11月4日

このグループ全く知らなかったのだけど最近、中世・ルネサンスもので海外から来日するのは珍しいので、とりあえず行ってみた。

編成は、テオルボとオルガン、パーカッション以外は管楽器が6人という珍しいもの。ルネサンス期では標準だというのは知らなかった。リーダーはショーム吹きのカタリーナ・ボイルムで、さらにゲスト歌手でマーガレット・ハンターというソプラノが加わっていた。

プログラムは水・気・火・地の4つのパートに分かれて、それぞれ一、二曲器楽だけの演奏が入るというものである。
ランディーニ、トロンボンチーノのようなルネサンスものから初期バロックのモンテヴェルディまで世俗曲、宗教曲、舞曲など様々であった。

女性のコルネット奏者の演奏が極めて柔らかな音で、ソプラノの歌声と溶け合うようなのには驚いた。これまで、あんなコルネットは聞いたことがない。
また、モンテヴェルディの「西風が戻り」という歌曲はこれまで何度か聞いたがいずれもバロックっぽい演奏である。しかし、弦ではなく管楽器ばかりだと俄かにルネサンスっぽく野蛮になるのが面白かった。
どの曲も楽器の響きを十分に堪能できた。アルト・ショームって初めて見た(聞いた)\(◎o◎)/!

器楽曲の「パッサメッゾ」では二人のトロンボーンの片方が、途中から即興でジャズっぽいフレーズを吹いたのは笑ってしまった。そしたら打楽器のおじさんがすかさずそれに呼応したリズムを叩いたのだった。
この打楽器のバウアー氏、ところどころで笑いを取っていた。最後にアンコール曲で客へ手拍子を教える時に、タンバリン(←でいいのか?)で自分の顔を隠すように端っこを口で咥えながら叩いて、大いにウケた。

リーダーのボイムル氏も、私にも分かるぐらいの極めてやさしい英語で曲や楽器を紹介してくれて、好感度大heart02

曲と楽器は古いが精神は新しいnew 楽しくしかもハイレベルの演奏で大満足できた。
彼らは、この公演の後に大阪で「聖母マリアの晩課」をやったらしい。うらやましい、うらやまし過ぎるぞ!(^^)!

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2018年12月 3日 (月)

「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」:ノー・モア・チャンス 試験戦線異状あり

監督:ナタウット・プーンピリヤ
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン
タイ2017年

珍しやタイ製映画である。もっともこの少し前に、象を連れて歩く男の映画(やはりタイ作品)をやっていたので、そんなに珍しくないのか。(本作で父親役をやっている人が主演)
しかも、あらすじだけ聞いたらどこの国の映画でもおかしくはない内容である。それどころか一見しただけではどこかも分からない無国籍ぶりになっている。

頭は非常に良いが家は裕福ではない少女が、特待生となって金持ちの師弟ばかりの進学校に入る。ここで良い成績を取れば海外留学できる資格を得られるのだ。
なんたる皮肉なことかsign01金がなければ頭が良くて勉強がいくらできようと、学問の道には進めない。一方で、財力もあり親から「勉強して良い大学へ行け」と言われる子どもは学問にも自分の未来にも全く興味はない。 

主人公は出来の悪い同級生やボーイフレンドに試験中に答えを教えてやり、さらに他の成績不良の生徒相手にビジネスとして逆カンニングすることになる。
そこにもう一人やはり同じく貧しい特待生の男子が登場する。

真に貧富や階級の差を背景に、持つ者と持たざる者をシビアに描いた作品である。しかも、着想やカンニング場面のハラドキ具合はサスペンスものとしてもかなりな出来だ。

ただ、この逆カンニングは最前列に座った者には使えないのではないかという疑問が頭から離れなかった。それと留学試験の監視員がまるでターミネーターみたいにコワくて思わず笑ってしまった。
その後半のカンニングのシステムはかなり大掛かりでよく考えられている。それを考えたのは友人とBFなんだけど、そんな知恵があるなら別に進学しなくても起業家としてやっていけるんじゃないの(^^?)なんて思っちゃった。

中心となる4人を演じる若い役者たちがルックスも良ければ演技も良しgood 特にヒロインのチュティモン・ジョンジャルーンスックジンはモデルもやってるそうで、柳のような長身。しかもキリッとしている。街を歩いていたら思わず振り返っちゃう。
それと友人役の女の子も、若い頃の薬師丸ひろ子っぽい可愛さ。作中では私、頭悪いし~happy02とか言ってる役柄だが、こちらも勉強よりアイドル養成学校に行ってスタアshineを目指せ、と言いたくなるぐらいだ。

お見それしましたタイ映画(^^ゞ 世の中が不公平なのは万国共通、沈む者は永遠に沈みっぱなしで這い上がれないというのが身にしみた。
ラストの「校歌」には爆笑してしまった。
欠点は、音がデカ過ぎること。音楽や打ち込みの効果音みたいなノイズ自体はいいんだけど、ちとうるさかったですよ。あともう少し短く編集してくれればよかったんだけどねえ……。

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