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2019年2月12日 (火)

「ディザスター・アーティスト」:ノー・カット! 駄作も行き過ぎれば客が来る

監督:ジェームズ・フランコ
出演:ジェームズ・フランコ
米国2017年

DVDにて鑑賞。
米国に『ザ・ルーム』(2003年)なる映画あり。「史上最低の映画」と評されて笑いのネタとなり、映画マニアに愛されている駄作だそうだ。

この映画は『ザ・ルーム』がいかに作られたかを描いたもので、実話を元にしたコメディである。
こちらは極めて評判良く、ゴールデン・グローブ賞の作品賞にノミネート、監督兼主演のジェームズ・フランコは男優賞をゲットした。他にも放送批評家協会賞も取ったということで、このまま賞レースを突進してオスカー主演男優賞に手をかけたと思った途端、直前にフランコのセクハラ問題が発覚してしまい、一気になかったことにされてしまったといういわくつきの作品である(オスカーでは脚色賞候補のみ)。日本でも公開がなくビデオスルーになってしまった。

役者志望の若者が演劇学校で変なロン毛男トミーと知り合い、ルームメイトとなる。くすぶっているうちに彼から映画を共に作ろうと誘われる。トミーは身分不詳、果たして本名を名乗っているのかさえ分からないが、金だけは無尽蔵に持っているという謎の男であった。果たして大丈夫なのかと誰もが思うであろう。

プロデューサー兼監督兼脚本兼主演となったトミーであるが、実際には映画の製作については全く知らず、さらに演技もシロート以下と言っていいほどだった。そんなデタラメな混乱ぶりが若者の眼を通して描かれる。

その信じられないドタバタが見どころの一つだ。トミーは何度同じシーンを演じようとしても、セリフを覚えられない。あまりに繰り返すので、彼以外のスタッフはみな暗記してしまうほどだ(^◇^)
もう一つの見どころは有名な俳優があちらこちらに顔を出していること。ザック・エフロン、シャロン・ストーン、ジャッキー・ウィーヴァー、ジャド・アパトーなどなど。

そしてラストに至って、正体不明でデタラメで才能皆無だが映画をそれなりに愛しているトミーという人物を、観客は好きになる……はずである(多分)。
いかにも映画マニアが好みそうな話であるが、マニアの域には至っていない私のような人間には「ふーん、変なヤツがいたものよなあ」で終わってしまうのだった。
それと『ザ・ルーム』は、米国と違って日本では全く知られていないというのが痛い。

フランコはロン毛を振り乱して別人のような怪演&熱演。一方、作品全体は意図は分かるけどなんだか中途半端な印象で、監督としての手腕は今一つであった。
彼の弟のデイヴ・フランコが若者役を演じている。童顔で役柄にはあっているものの、なんだか口をパクパクさせる癖があって、これは俳優としてはかなり問題ありなのではないかと思った。

ところで最後に通行人みたいな役でなんと本物のトミーが登場。ちゃんとセリフ言えてたよ(!o!)

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