「ルベルとルクレール」:31年分の変遷
趣味の融合の申し子たち
演奏:天野寿彦ほか
会場:近江楽堂
2019年2月26日
タイトルになっているこの二人、フランスバロックのコンサートでは付け合せみたいな感じで登場することが多く、なかなか単独で主役を張る機会はない。かなり珍しいプログラムと言えるだろう。
編成はヴァイオリン2(もう一人は吉田爽子)、ガンバ(平尾雅子)、チェンバロ(辛川太一)である。
ルベルはクープランとほぼ同年代で、ルクレールはその31歳年下、もはやバロックのどん詰まりの世代という差がある。
二人の曲を年代順でなく、前半ルベル1曲ルクレール2曲、後半はその逆という配分の構成だった。
ルベルの作品はクープラン、マレなど同世代の作曲家同様にタイトルがついている。イタリアの影響をそことなく受けているとはいえ、やはり全体に落ち着いた感触。
ただ「輝き」というタイトルのソナタはその名の通りに躍動感に満ちていた。
ルクレールのソナタの方は2台のヴァイオリンの弦が闊達に絡み合い、刃飛び散る白熱が感じられる作品だった。時代的なこともあるせいか、バロックという定型を超えて飛び出していく勢いがある。
天野・吉田両人の切れ味よく勢いのある演奏に思わず拍手~(^^)//
ドイツともイタリアとも違う、フランス特有の弦のつややかさと活きの良さがくっきりと浮かび上がったコンサートだった。
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