「奇想の系譜展」記念コンサート 1:どちらも負けぬ!東西奇想比べ
ザ・バロック 江戸の奇才、ヨーロッパの奇才
演奏:江崎浩司ほか
会場:東京都美術館講堂
2019年3月17日
恒例、上野界隈で行われる「東京・春・音楽祭」の展覧会関連コンサート、今年はたまたま博物館・美術館の企画が近現代ものが多かったせいか、純粋に古楽系はこの一つだけだった。
リコーダー江崎浩司が中心のアンサンブル(ヴァイオリン2+ヴィオラ+チェロ)が、「奇想の系譜」で展示されている日本画と同時期で同じテーマの音楽をルネサンス、バロックの作品から選んで演奏するという趣向である。
この手の企画では定番のヴィヴァルディがもちろん最多登場。「鳥」テーマで『ごしきひわ』、「幽霊」「眠り」では『夜』(曲中に幽霊が登場)、そして『海の嵐』……と「奇想の系譜」にハマリ過ぎな作品の数々である。いずれもリコーダー大活躍だった。
リコーダーと言えばJ・ファン・エイク。『笛の楽園』から「鳥」の『ナイチンゲール』、そして「美人図」にちなんで『かわいいマルティーナ』(これは自殺した娼婦の曲とのこと)。もちろん江崎氏の独奏だ。
他にはラモー作品から「花」、J・ブロウでは「狩猟」、パーセルは「猿」となんでもあり。まさに展覧会だけでなく、こちらも「奇想」では負けてはいない。
しかし一番の注目(注耳?)は、まさに曲自体が奇想だということで選ばれたC・P・E・バッハのトリオソナタだろう。バスリコーダーを指定というのがそもそも珍しいが、さらにヴィオラ、チェロという奇妙な編成の作品である。確かにあまり聞いたことのないようなサウンドで驚いた。
かくも奇想尽くしのコンサート、江崎氏は展示作品との関連を曲ごとに解説し、アンサンブルではリーダーを務め、さらに独奏も披露し、ついでに発売したばかりのCDも宣伝し(もちろんサイン付き)……と大活躍だった。
聞いててサービス精神に富んでいて面白かったけど、一つ残念だったのはこの編成だともう一つ低音楽器が欲しかったところ。「ああ、ドスのきいた低音が聞きたい」なんて思っちゃいましたよ(^^ゞ
アンコールで初めて気付いたのだが、江崎氏が着ていたアロハみたいなシャツ、よくよく見たら、五色かは不明だが様々な色の鳥の羽根模様だった。さすがである。
客席に前日のアンジェリコの公演でも見かけた人がやはり来ていて、考えることは同じだなと思ったり……(^^;;
どうせだから展覧会の方も見て行こうかと思ったら、チケット売り場に行列が出来ていた。さらに係員が入口で「中は混雑しておりまーす」と叫んでいたので、あきらめてスゴスゴと帰った。
やはり本気で見るんだったら、平日の早い時間に上野駅の改札内の窓口でチケット買って行くぐらいじゃないとダメですわな💥
| 固定リンク | 0