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2019年5月 5日 (日)

「ジュリアン」:ウィークエンド・ファミリー 愛より怖く

190505 監督:グザヴィエ・ルグラン
出演:ドゥニ・メノーシェ
フランス2017年

昨今、社会問題として大きく浮上している家庭内DV・児童虐待を題材にしたサスペンス。観客に差し出されたDVの様相はあまりに恐ろしくて見続けるのがつらいぐらいだ。
見てて「うわあ」「いやだー」「やめてくれ(><)」「ギャーッ」「ヤダヤダヤダ」「なんとかしてくれ」みたいな言葉しか脳内に浮かんでこない。

冒頭、夫のDVが理由で離婚した両親の調停場面、少年ジュリアンは母親と暮らすことに決まる。しかし、共同親権のため隔週末に父親の家に行かねばならなくなる。
すると父親は家に行く度に、秘密にしてある母の住所や電話番号を教えろと執拗に迫るのであった。
そしてしつこく母の周囲に出没し始める。ここら辺は完全ストーカーである。そして遂に事態は最悪の方向に向かって爆発する。その恐怖は並大抵のものではない。DV被害者は常にこのような感情を味わっているのだろうかと、想像するしかないのだ。

後味悪いホラーかサスペンスという印象で、見終わってもホッとするよりドヨ~ンとしたままである。映画館で見てよかった。ネットやソフトで見始めたら、絶対途中で見るの止めたくなるに違いない。

--のではあるが、その後しばらくするとどうも「これでいいのか」感がなんとなく湧いてくるのであった。
終盤、エスカレートしてきた父親が襲撃してくるのはいいが、完全に怪物と化している。
特にホラーっぽいと感じるのはここの点で、実際監督は『シャイニング』を参考にしているらしいのだ。な、なるほど……。

作中の父親はいかにも凶暴で今にもバクハツしそうな外見なのだが、実際にはDV男は家庭外での外面は良くて、ズル賢く世間を欺くらしい。
また、ようやく子どもと一緒に夫から別居しても今度は、DVを目撃し被害に遭ってきた子が母親に暴力を振るうなどという例もあるそうな。
かように、映画の描写をそのまま受け取っていいものかという疑惑が浮かんでくるのは仕方ないのだった。

というわけで、これはあくまでホラー映画の怖さだということで差し引いて考えた方がよさそうである。
しかし演技でも父親役コワ過ぎて、子役の少年の精神衛生上大丈夫か気になってしまった。
いくつか意図がよく分からない描写があった。一番最初の家裁の判事(?)がマッタリとお茶を飲んでいるところ、ハイティーンの姉がトイレで恐らく妊娠検査をする場面、あと彼女が歌うライヴ場面もやたら長すぎる。

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