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2019年8月12日 (月)

「フォリア!」:教会揺らぐ

190812 スペイン、ポルトガル15世紀から伝わる情熱と狂喜の音楽
演奏:高橋美千子ほか
会場:日本福音ルーテル東京教会
2019年7月17日

定期的に行われていたソプラノ高橋美千子とガンバ4人の組み合わせによるコンサートである。今回はパーカッションの立岩潤三がゲスト参加して様々な時代と国の「フォリア」や関連曲を演奏、休憩無しでアンコール二曲を入れて90分というものだった。

冒頭、マレのフォリアに基づくヴィオール曲から開始。その後に登場した高橋美千子は真っ赤な口紅に黒髪を振り乱し、赤いドレスの衣装も含めて完全に「狂気の女」の出で立ちだった。

イベリア半島を股にかけたフォリアの熱は16~17世紀の宮廷に広がり、様々な楽曲を生み出した。
それらを歌う彼女の唱法は、これまで聞いたオペラやフランス歌曲などとは全く異なるもので、その多彩な声を自在に操っていた。
器楽曲の時は呆けたような表情でステージの床に座り、歌う時は取り憑かれたように思い詰めた風で、誠に鬼気迫るものがあった。
しかし、背後のガンバ群やパーカッションの演奏はあくまでもクールな熱気なのである。

さらに終盤になってサプライズあり。なんとプログラムにも載ってないゲストとしてフラメンコの男性ダンサー(奥濱春彦という人だそうな)が登場したのだ。
これには驚いた(!o!)
コレッリやマレなど数曲を踊り、その迫力に会場はやんやの大喝采となった。
全体的に、コンセプチュアルな古楽コンサートとして見応え聴き応えあり、完成度が非常に高かったと思う。

ただ、残念だったのは教会の礼拝堂なのでステージの高さがほとんどなく客席に段差もないため、高橋氏が床に座っていると前の方の席の人しか見えなかったのではないか?ということ。
しかもステージの広さも狭くて通常の礼拝に使用している説教壇(というのか?)などが残っている状態。加えて5人の奏者がいて楽譜台も置いてあるのだから、狭いスペースでダンサーの人はさぞ踊るのが大変だったろう。
彼が足を踏みならすと教会の聖堂全体がガンガンと振動して、床が抜けるとかと思ったほどである(^^; 確か、ハクジュホールではこういう時に補強板を敷いて、その上で踊っていた。
もっと広い会場で見たかったのが唯一の不満である。ハクジュホールぐらいのステージだったらちょうど良かったかも。
あ、あと、空調切ってしまったので暑くってマイッタですよ💦(冷房入ってると今度は寒いのだが💨)

なお、ガンバ4人衆と組んでやるシリーズはこれで終了とのこと。これまた残念である。

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