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2019年8月26日 (月)

「マルリナの明日」:首なき暴走

190826 監督:モーリー・スルヤ
出演:マーシャ・ティモシー
インドネシア・フランス・マレーシア・タイ2017年

予告を見てなんじゃこれは?と仰天して見に行ってしまった映画である。
舞台はインドネシアのとある島。荒野の一軒家で細々暮らす未亡人がいる。これが、この島の風習らしいのだが、なんと亡くなったダンナはミイラになって同じ家の中にいるのであった(~o~)
それに目を付けたならず者の一団、乱暴狼藉を働き大事な家畜を奪ってしまう。しかし、彼女はレイプ野郎のボスの首をナタでぶった切って反撃、証拠として警察に持って行こうとするのである。

予告ではてっきり「ガルシアの首」のパロディなのかと思ったが、実際見たらそういうわけではなかった。(邦題は意識してるよね)
女性監督による「インドネシアで女主人公でナタでウェスタンやって何が悪い」みたいな堂々たる開き直りだった。まこと天晴れな監督根性である。

バスも霞んで見える延々と続く広野、家に鎮座するミイラ、やる気ゼロの警察(これは日本も同じか)。馬の代わりにロバにまたがり、首を傍らにぶら下げて道を進む。
また途中で女の子(父親に酷使されているらしい)と水浴びをするつかの間の美しい叙情的光景もあり。

そしてラストは……うわ~(>O<) 果たして快作か怪作なのか。もう分かりません!
いやしかし、最後に女は勝つ! 女にとっては力づけられる映画に違いない(多分)。
それにしても出てくる男がどれもロクデナシばかり。唯一バスの運転手はワリを食ってかわいそうだった。

ただ、客席は女はほとんどいなくて中高年のオヤジさんばかり。なんでだ(^^?
キャプテン・マーベル』と並べて遜色ない「闘う女」映画に違いなし!

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