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2019年9月14日 (土)

「バルバラ・ストロッツィ 生誕400年記念コンサート」:400年目の復権

190914 演奏:ディスコルシ・ムジカーリ
会場:豊洲シビックセンターホール
2019年9月2日

生誕400年だったとは知らなかったストロッツィ。結成されたばかりのグループによって記念公演が行われた。
主催者は佐々木なおみという研究者で、そのため曲間に詳しい解説が入ってレクチャーコンサートと言っていい濃い内容になっていた。
コンサート全編ストロッツィというのはさすがに聞いたことがない。しかも日本初演というのが数曲入っている。

以前は、彼女はパッとしないまま認められず忘れられた作曲家という見方をされていた。しかし最近では全く異なるストロッツィ像が浮上している。
使用人の私生児として生まれるも実の父親の養子に入り、音楽教育を受け自作曲を歌う。当時の文化人が集うサロンを開き、貴族の愛人としてシングルマザーとなり、投資の才能を生かして大いに富を築いた。その間に七つの曲集を作ったという。
まさに公私ともに充実していたわけだ。

プログラムは主に彼女のマドリガーレ集、カンタータ集から。ほとんど世俗歌曲だが、一つだけ宗教曲も歌われた。
歌手は一声部一人(ソプラノ阿部早希子、CT村松稔之、テノール福島康晴、バス目黒知史)で曲によって組み合わせが変わる。当然ながらソプラノ独唱曲が多く、カンタータ集7からの「ラメント」、大作と言える「2台のヴァイオリン付きセレナータ」は阿部早希子の力唱熱演がとりわけ映えていて✨感銘を受けた。
曲自体はイタリア語の歌詞と密接に結びついて作られているとのこと。イタリア語は全く分からない私には、初期バロックと後期のどちらにも振り切らない「重さ」のようなものが感じられた。

ラストの「恋する場をあきらめた老年の恋人」は男声3人によるユーモラスな曲。オヤジはいつの時代もあきらめ悪くて困ったもんよ💨な内容で会場を笑わせたのだった。

合間に同時代のマリーニの作品や、レグレンツィとカッツァーティがそれぞれ作ったストロッツィの名を冠した器楽曲も演奏された。
器楽はヴァイオリン2人、通底3人の編成。最初の予定ではヴァイオリンの片方を先日亡くなった渡邉さとみが担当するはずだった(チラシには写真付きでクレジットされている)。惜しい方を亡くしました。合掌(-人-)

リキの入った内容に比例して長さも2時間以上(休憩含む)、聴き応え大いにあり。年1回ずつコンサートをやっていく予定らしい。
「関係者席」がかなり数が多くて驚いたが、それだけ業界内注目の公演だったということだろう。歌手や演奏家を何人もお見かけした。

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