映画落ち穂拾い 2019年前半その1
★「マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!」
監督:デヴィッド・バッティ
出演:マイケル・ケイン
英国2017年
60年代英国で階級をぶち壊して勃興した労働者階級のユース・カルチャーをたどるドキュメンタリー。マイケル・ケインがナビゲートし、音声のみのインタビューに答えるのはマッカートニー、ツイッギー、マリー・クワント、
ロジャー・ダルトリー(P・バラカン監修につき「ドールトリー」表記になってる)など。音楽中心かと思ったらファッションやアートにもかなり時間を割いていた。
秩序立てて紹介している訳ではないので、当時の雰囲気を知りたい人向けか。(特にファッション関係に興味ある人)
いずれにしろ過去の若ケイン、現在の老ケインどちらもカッコエエです。名前の由来があの過去の名作とは知らず。
あと、ツイッギーにドジな質問をして逆襲されるのが、あの監督とは……(ヤラセ)
韓国ドキュメンタリー、上映最終日に滑り込み鑑賞した。二代の大統領政権下で放送局が、社長をすげ替えられて政権の「広報」と化す。アナウンサーや記者がスケート場に左遷され、局員はストで対抗するも冬の時代が続く。 韓国内で起こった事件や政情を分かっていないと、やや難しいかも。
ここで描かれている状況と、今の日本のマスコミがほぼ同じなのでトホホ(+o+)となってしまう。日本の方は変わることができるのかね。 局をクビになって独自に突撃取材する監督は、今現在は局の社長に選ばれたって本当?すごい激動である。 それにしてもセウォル事件の報道はひど過ぎ……。
★「ナポリの隣人」
監督:ジャンニ・アメリオ
出演:レナート・カルペンティエリ
イタリア2017年
久しぶりに「金はもういいからせめて時間を返してくれ~」案件の映画だった。家族とコミュニケートできない中高年男性が見たら満足感を得るようなストーリーで、脚本も演出もエピソードをグダグダと連ねるだけで終始。父親に冷淡な娘が途中で態度を変える理由が全く描かれない。
主人公を始め、登場する男たちが揃ってダメダメなのには参った。 やはりイタリア映画の家族ものは敬遠した方がいいね。こんな映画を選んで見てしまった自分の不徳の致すところであるよ。
★「ROMA/ローマ」
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:ヤリッツァ・アパリシオ
メキシコ2018年
やっと見た。確かにサウンドがすごい。実際に街角に立って聞こえるような音が本当に聞こえてくる。もっと設備のいい映画館なら効果もさらに増すだろう。
ただ全体的に見て好きな映画かというと「うーむ(-"-)」となってしまう。一見の価値はあると思うがそれ以上ではなかった。
一部にこれみよがしな場面があって「ここでそれをやるんだ……」と思っちゃうと、興ざめする。(あくまでも個人的意見)
それに子どもの時にあんな優しくてかわいい若い女の人に世話してもらったら、そりゃ忘れられないよなあ、などとも思う。
あの棒振り場面にボカシ入っていないのには驚いた。「ちいさな独裁者」なんかあんな遠くてロクに見えないのにボカシあったのに。基準はなんだ?
これを映画館で見る時には周囲が空いている座席を吟味して選択することを推奨。隣でポップコーンなぞシャリシャリ食べられたら殺意が湧くのは間違いない。
★「ブラック・クランズマン」
監督:スパイク・リー
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン
米国2018年
形は警察官二人組ものの体裁を取っていて、娯楽作品として十分通る(終盤の活劇は原作にないらしい)。が、冒頭うさん臭いA・ボールドウィンから中盤のブラックスプロイテーション談義、最後のニュース映像まで至ると、実はストーリー仕立ての差別論議映画に思えた。
つまりS・リーの意図は客を感動させることより、疑問を抱き考えさせ意見を戦わせることかなと。
私は最後までアダム・ドライヴァーがいつマイクが見つかるか、絶対見つかって危機一髪💥になると確信してたので、ハラハラしっ放しだった。
あのバッグの中身が結局どういう経緯でああなったのか?分からなかった。
学生会長は「スパイダーマン ホームカミング」の女の子だったのか!立派な女優さんになってご両親もさぞお喜びでしょう。
「アイ、トーニャ」の自称工作員男が似たような役柄で出ていて笑った。この路線でずっと行くのかね。
ハリー・ベラフォンテのシーンでは監督も一瞬映ったよね。
アカデミー賞の授賞式で脚色賞を取った時、嬉しさのあまりスパイク・リー(小柄、緑色のスーツを着ていた)はプレゼンターのS・L・ジャクソン(大きい)にカエルのようにピョンと飛びついたのだが、なんとご本人はそれを覚えていなかったという……。(直後のメディア会見で記者たちに確認する始末)
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