「ミューズの力 恋する女性たち」:通底弾けば鐘が鳴るなり聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン
フランス・カンタータの世界
演奏:クレール・ルフィリアートルほか
会場:石橋メモリアルホール
2019年10月20日
ル・ポエム・アルモニークで活躍してきたソプラノ歌手クレール・ルフィリアートルを迎えて、フレンチ・カンタータに登場する女性を浮かび上がらせる。
日本側の奏者は寺神戸亮、上村かおり、前田りり子、曽根麻矢子という布陣である。
リュリの「町人貴族」で開始で、前半一番盛り上がったのはモンテクレールのカンタータ「恋の繰り言」であった。レチとアリアの繰り返しの中に恋する女の激しい感情の波が浮かび上がる。
後半では終盤の二曲続けて、クレランボーの「メデ」とカンプラの「アルテ」から、で最高潮になった。扱っている神話は異なるものの、「最愛の者を手にかけざるを得なかった悲劇の女性」が主人公である。
ルフィリアートルの歌唱は怒濤のように全てをさらけ出すというのではなく、抑制された中に感情を表現しているようだった。このジャンル特有の甘美なる哀しみが存分に味わえた。
バロックの修辞や装飾法などは素人なのでよく分からないが、フランス語歌曲の美しさはさすが本場の人は違う✨と感じた。アンコールはランベールだった。
当時の器楽曲も交互に演奏された。一番の聴き応えはやはりマレの「聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モンの鐘」だろう。寺神戸亮のヴァイオリンは「メデ」でも活躍、「飛び回れ、悪魔よ♪」という一節では見事に悪魔を飛び回らせていた。
全くの余談だが、会場の入口に「ぶらあぼ」が山になって積んであったので「おっ、最新号🎵」と思っていそいそと貰った(毎月18日に発行)。そうしたらなんと先月に出たヤツだった。もう最新号出てるのに~。
私以外にも数人だまされて持って行った人がいたようである。
| 固定リンク | 0