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2019年11月18日 (月)

「アルツハイマーと僕 グレン・キャンベル音楽の奇跡」:音楽が終わった後も

191118 監督:ジェームズ・キーチ
出演:グレン・キャンベル
米国2014年

グレン・キャンベルってヒットチャートでは耳にしてきたが、それ以上に接することはなかった。活躍するジャンルがカントリーというのも理由の一つだ。
だがそもそもはセッション・ギタリストとして活動を始め、ビーチボーイズにも短期間だけど参加していたというのは知らなかった。

彼がアルツハイマー病にかかり、あえてそれを公表してラストツアーを決行する。その行程を記録したドキュメンタリーである。ステージだけではなく診察や日常生活も映像として公開することで、この病に関する啓蒙活動とするのを意図したようだ。

病気がなくてももういい歳だというのに、1年以上かけて全米150カ所回ったというのはすごい。だが、ツアーが進むにつれて病気も段々と進行する。それでも音楽は続く。続けられたのは年下の奥さんがまだ若くて元気なのと、子ども達がバンドのメンバーに入っていて側で支えたからだろう。

演奏中にカンシャク起こしたり、メンバー紹介で子どもの名前言えなくなったり、同じ曲を二度やろうとしたり……(^^; しかし聴衆は最初から分かって来ているので、優しく見守っている次第。
ステージを見て感激したP・マッカートニーが楽屋を訪れる場面があるけどあれ、もしかして誰が来たのかキャンベルには分かっていないんじゃないかと怪しく思った。「どっかで見たヤツだな、まあいいか🎵」みたいな感じだ。
病状の進行を順々に見せられて正直つらいところあり。最後にはスタジオで歌詞一行ずつしか歌えなくなる。
しかし本人が良しとしてればそれでいいのだろう。まさにミュージシャンの魂、百までもである。

クリントン元大統領やスティーヴ・マーティンを始め、色々な人が登場してコメントしているが、レッチリのフリーやスプリングスティーンも出て来たのは意外だった。二人とも家族がアルツハイマーだったとのこと。

歌詞にちゃんと字幕の訳がついてたのは良かった。どうせなら曲名も出してくれたらありがたかったのに--って、贅沢言いすぎかな(^^ゞ

これを見る気になったのは、彼が亡くなった時に山下達郎のFM番組でキャンベルのラストアルバム「アディオス」(日本未発売)を紹介したのを聞いたからだ。この映画を作っているのと同時期(?)に録音したようである。
アルバムに最後に収録されているのはジミー・ウェッブ作のまさに(リスナーに別れを告げる)「アディオス」(-o-)/~~~であった。元々は1989年にリンダ・ロンシュタットが歌ってヒットした曲だ。
私は最近ウェッブを好きでよく聞いているので、それを知って興味を持ったのである。

キャンベルは彼の作った歌をよく取り上げている。大ヒットとなった「恋のフェニックス」「ウィチタ・ラインマン」「ザ・ムーンズ・ア・ハーシュ・ミストレス」などなど。いずれも名曲揃いだ。
映画でウェッブは友人として登場しコメントしたが、ほんの数秒だけだった。残念。

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