「エマ・カークビー ソプラノ・リサイタル」:降りるは簡単、上るは苦難、ステージへの道
北とぴあ国際音楽祭2019
会場:北とぴあ さくらホール
2019年11月7日
今年も来ました恒例の北とぴあ。北区民のありがた~い税金による音楽祭であります。
この音楽祭とエマといえば数年前の『妖精の女王』が思い出される。今年はオペラの参加はなくて単独コンサートだ。
前半はつのだたかしのリュート共に英国ルネサンス歌曲。後半は寺神戸亮率いるアンサンブル(総勢9人)との共演でバロック名曲選、という盛りだくさんな超お得プログラムだった。
ルネサンスものの方はダウランド中心で、他にキャンピオン、J・ダニエルも。会場は多目的で1300人収容という広さで、この手の音楽には向いていない。でも、か弱そうなエマの声は驚くほど鮮明に大きく届いた。歳は取ってもやっぱりエマ✨であった
ただ、さすがにリュートの音については苦しいものがあった。
バロックの方はヘンデルの信奉者だったというW・ヘイズの声楽曲で開始。歌詞の中に登場するホルンが実際に加わって演奏した。
英国ものなら定番パーセルの後は、なぜかその後バッハ。やはりバッハを入れないとダメなのかしらん。
しかし、事前のチラシでは最後の演奏が「コーヒー・カンタータ」からになっていたのを変更して、「やはり今年のオペラはヘンデルなんで」ということで結局ヘンデルに差し替えられたとのこと。
ということで、バッハはロ短調ミサからの1曲だけで、ヘンデルが「メサイア」と「アルチェステ」からとなったのだった。
エマの歌唱はパーセルやバッハよりもヘンデルの方が冴え渡っていて、この変更は吉と出たのである。
器楽曲ではバッハの「オルガン小曲集」をアンサンブル用に編曲したのがよかった。対位法の心地よさが満ちあふれるように感じられる~(^^)~
アンコールは「結婚カンタータ」より。
カーテンコールでエマと寺神戸亮が手を目の上にかざしてしきりに客席を見ている。何かと思ったら前半のつのだたかしが客席にいるはずなので、探していたらしい。
そして、手招きされてつのだ氏が客席から立ち上がり、ステージ上へ……行くはずが、なんと客席のフロアから壇上へと上がる階段がないのだった(!o!) かくしてステージの下にいるまま彼は会釈するという羽目に。
階段ないのは、興奮して上ってくる客を防止するためでしょうかね⚡
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