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2019年12月23日 (月)

「ジョーカー」:タウン・ウィズアウト・ピティ 誰でも3分間は悪のヒーローになれる

191223 監督:トッド・フィリップス
出演:ホアキン・フェニックス
米国2019年

今年最大級の話題作といっていいだろう。バットマンシリーズのスピンオフながらヴェネチア映画祭で受賞したし、日本でも興収ランク第1位が続いた。前評判も高く、私は公開されて勇んですぐ見に行った。

しかし、開始5分でその期待も見事にしぼんだ。善人ながら悲惨な境遇の主人公を配して、残酷でことさら刺激的なエピソードをだけをつないで煽っているように思えた。もちろん手法としてそういうのもありだろうが、なんだかなあである。
過激な行為を連ねた雑な脚本を、ホアキン・フェニックスによる渾身の演技と、クセの強い(よく言えば印象的な)映像でなんとか見せているようだった。

主人公の行為によって暴動が起こるけど、それにノッて暴れている人々はそもそも冒頭で彼を叩きのめして看板奪ったような奴らや、最初のTV映像見て嘲笑してた奴らと重なるんじゃないのかね。そこら辺についての疑問や葛藤は全くない。

所々に曖昧な場面を出てくる。冷蔵庫に入るとか、撃った銃弾の数が合わないなど--。ラストも含めて、このように「夢オチ」を仄めかしてお茶を濁そうとする根性が気にくわない。(←あくまでも個人的感想です)

また、肝心な場面は直接描かない。私はてっきりシングルマザーに危害を加えたのだと思って見ていたのだが、あそこは何もしなかったと見なす人が大多数なので意外だった。見ている限りはどちらとも解釈できる。
まあ、あそこで害を加えたとハッキリ描いたら主人公に共感する観客は90%減だろう。そういうところを曖昧にする根性も気にくわない。(←あくまでも個人的感想です)

ということで最初から最後まで気にくわずに終了したのであった。

一部で執事アルフレッドの描き方があまりにひどいという意見があった。一方、ウェイン父についてはトランプ(大統領)味が少し入っていた。

さて、このしばらく後にWOWOWでTVドラマシリーズ『ミスター・ロボット』の第1シーズンを見た。2015年制作で日本でも他の局で既にやっていたのだが私は全く知らなかった。ラミ・マレック主演で『ボヘミアン・ラプソディ』関連で今になってWOWOWで放映されたようだ。
これがまた『ジョーカー』と共通点が多いのだ。
 ・主人公が信用できない語り手である。どこまで事実か明示されない。
 ・孤独で、障害を抱えていて精神が不安定。
 ・カウンセラー/ソーシャルワーカーと対話を繰り返す場面あり。彼女から薬の処方箋を貰っている。
 ・不在の父を探し求めている。「父」の正体が分かる。
 ・メディアに彼に関連する映像が流れ、それによって仮面の人々が蜂起する。

個々にはよく出てくる状況だが、全部入っている作品というのはなかなかないのではないか。かなりの一致度である(~o~; これどうなのよ。
もっとも『ミスター・ロボット』自体も某有名作品(名前を一文字言っても分かっちゃうぐらい有名)のアイデアを戴いているんで、なんだかなあ……💨である。

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