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2020年1月 6日 (月)

「15ミニッツ・ウォー」:バスに向って撃て!

200106 監督:フレッド・グリヴォワ
出演:アルバン・ルノワール
フランス・ベルギー2018年

国際紛争による人質事件という実話を題材にしているのは『エンテベ空港の7日間』と同じだ。が、あちらは戦闘シーンが少なくて詰まんな~い(><)とお嘆きの諸氏諸嬢に、全力をこめてオススメしたい一作である。

舞台は1976年「フランス最後の植民地」💥ジブチで、独立派による小学校のスクールバス・ジャック事件が起こる。ソマリア国境近くにバスが移動し、このままだと子どもたちは殺されるか隣国に連れ去られるか、という事態になる。
そこで狙撃チームが招集され、現地へ急きょ向かうのであった。一同はいずれも優秀ながら「軍隊は規律が厳しくてやってられねえ」というはみ出し者ばかり。

さらに子どもたちを放っておくわけにはいかないと、小学校の女性教師がバスに自ら乗り込むという事態も発生。
しかしフランス本国政府は外交ルートで解決を目指していて、狙撃対が待機していてもなかなかゴーサインが出ない。彼らは緊張の中ジリジリしながら待つことになる。

ここで見てて混乱するのは、フランス軍に「外人部隊」と「憲兵隊」があって関係がよく分からないことである。狙撃チームのリーダーである主人公は元は軍にいたが、今は憲兵隊所属になっている。後で調べたら憲兵隊は半分軍隊で半分警察という組織らしい。

ということで、フランス側は組織ごとにバラバラで、犯人は犯人で隣国からの援助待ちで膠着状態が続く。
ラストはタイトル通りに終盤は期待に違わず怒濤のような銃撃が展開する。ものすごい迫力と銃弾使用量だ。『エンテベ』の時とは逆に、思わず「撃って撃って撃ちまくれー👊」と叫びたくなる。端緒となる狙撃シーンは狙撃兵だとここまでできるのかとビックリ。
一方、いくらなんでも味方にタマが当たらなさ過ぎだろう、とも思ったりした。

隊員一同の私生活の描写がほとんどないのも潔い。もろにサム・ペキンパー風の場面が幾つも登場するが、無常観あふれる後味などアルドリッチっぽさを感じさせるところもある。
ということで、この二人が好きなアクション・ファンは見て損無しだろう。

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