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2020年2月17日 (月)

「ある女流作家の罪と罰」:嘘つきは作家の始まり

監督:マリエル・ヘラー
出演:メリッサ・マッカーシー
米国2018年
DVD鑑賞

作家や有名人の書簡を偽造した実在の作家が主人公である。
作家の才能は尽き、金も友もなく、アル中っぽい上に性格は悪くて嘘と悪態つきっぱなし、部屋はけた外れに汚い(いわゆる汚部屋。ネコだけはいる)。ネコ以外にプラス要因全くなしという中年女にはとても共感できるものではない。
唯一のゲイの友人とは険悪に、にっちもさっちも行かなくなって昔パートナーだった女性にすがろうとするも、厳しく突き放される。

でも金が出来て余裕が生まれれば少しずつ全てが上向きに進むようになる。ただ、その金が偽造という犯罪によるものなのが問題なのだが。せっかく古書店の女主人と仲良くなっても騙し続けるしかない。
どうしようもない人物なのだが、見ていて段々と身につまされてチクチクとくるのだった。そして、遂に真実を語る時が来る。

日本で公開されずビデオスルーになってしまったのは、美男美女が全く出てこないということとや、涙の感動モノでもないということからだろう。残念である(=_=)

メリッサ・マッカーシー(コメディアン出身の人は演技の才能豊か)とリチャード・E・グラントは確かに演技賞ものだった。ただ、ほとんどがノミネートで終わってしまったけど……。
欠点だらけの人間を美化することなく欠点のまま演じられるのは大したものだ。
マッカーシーが出ているのでコメディだと勘違いしている人がいるようだが、これはコメディじゃないよ!

邦題はなんとかして欲しい。この年のワースト邦題第2位に値する。(1位は「ビリーブ 未来への大逆転」)

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