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2020年3月11日 (水)

「国家が破産する日」:倒れる人儲ける人憤る人

監督:チェ・グクヒ
出演:キム・ヘス
韓国2018年

1997年に韓国で起こった未曾有の危機である通貨危機を虚実織り交ぜて描く。
経済ものには弱いんで『マネー・ショート』の時には理解しているか自分でいささか心もとなかった。内容についていけなかったらどうしようと思ってたが、実例付きで見せてくれたのでよーく理解できた(という気になれた)。

ほぼ相互に関係ない異なる立場の三者のエピソードが並行して描かれる。
韓国銀行の通貨政策の担当者、危機を見越して銀行を退職した金融コンサルタント、そして庶民代表である町工場の経営者である。
これによって事態が重層的に示される。特に町工場の状況は悲惨。景気がいいからと新しい製造機を発注した途端に危機が始まり……全てを失う。
まさに社会派映画のお手本のようだ。もうこの分野では日本映画はかないませんねえ(+_+)

危機が高まるとIMF(背後に米国あり)が出てきて、手を差し伸べるがそれは極めて悪条件であった。この交渉役にヴァンサン・カッセルが出てくる。このキャスティングはうまい。慇懃無礼でぴったりハマっている。
しかしこの悪条件って、日本でもいつの間にか全く同じ状況になってるじゃないの。非正規雇用とか保険の外資参入とか……⚡ どこの国にも「亡国の輩」「売国奴」はいるんだなあとよーくわかった。

財政局次官演じたチョ・ウジンの悪役演技はお見事なものだった。韓国銀行の女性担当者に対してモラハラ、セクハラ的言動やり放題💢 スクリーンに向かって物を投げたい気分になった。

この映画にも相手の年齢尋ねる場面出てくる。やはりこだわるのだな。

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