映画落ち穂拾い 2019年後半その2
★「ピータールー マンチェスターの悲劇」
監督:マイク・リー
出演:ロリー・キニア
英国2018年
ちょうど200年前に英国で起こった市民虐殺事件を複数の人物を通して描く。6万人の市民が参政権を求めて行進中に、命令を受けた兵士が突入する。
マイク・リーは作風からすると、英国怒れるオヤジ監督の系列には入っていないはずだが、辛辣なまでに実直に人々の思惑と行動をたどっている。
終盤の国王(じゃなくて王太子?)は時代劇の「悪代官」そのままだった。「おぬしもワルよのう(^▽^)」だ。
特定の主人公のいない群像劇で、感情移入する人物がいないせいか世評の点数は低い。参政権運動側にも問題があり、その矛盾をそのままに描いている。
しかし歴史において、何かを企み実行した者、何かをしようとして失敗した者だけでなく、何もしようともせず何も出来ぬまま消えていった無名の者も描いた意義は大きい。
それにしても他国との戦争を兵士としてを生きのびた者が、自国の兵士に殺されるとはなんたる皮肉であろうか。
★「シンプル・フェイバー」
監督:ポール・フェイグ
出演:アナ・ケンドリック、ブレイク・ライヴリー
米国・カナダ2018年
DVD鑑賞。アナ・ケンドリックとブレイク・ライヴリーという対照的な二人がなぜかママ友に! それだけで不穏♨ 何か起こりそうでドキドキする。
というか、事件が起こるまでが一番サスペンスフルだったかな(^^;) 起こってしまえば、そういう方向に転がっていくのねと肩すかしであった。
二人の華麗なるファッション合戦を楽しめばいいかという気にもなる。
それと、米国の住居事情は日本と違いすぎて目がくらむ。でも掃除が大変そうだけど。
★「ミスエデュケーション」
監督:デジレー・アカヴァン
出演:クロエ・グレース・モレッツ
米国2018年
DVD鑑賞。日本未公開作。
クロエ・グレース・モレッツの高校生が同性愛矯正施設に送られてしまう。『ある少年の告白』とほとんど重なる設定だが、あちらは施設の暴力的な閉鎖性や家族の絆を描いていたのに対し、設定の時代は古いもののこちらの方は施設の管理がゆるく暴力度は低い。
その代わりに若者のジワジワと締め付けられる閉塞感が中心となっている。親も良かれと思ってやっているのだから、どうしようもない。
キリスト教の素材の使い方がうまい。同じ施設の若者たちを演じる役者たちも達者。
モレッツは机の下で泣く場面が良かったけど、いつも同じ髪型完璧にキメているのは不自然と思ってしまった(^^;
★「アナと世界の終わり」
監督:ジョン・マクフェイル
出演:エラ・ハント
イギリス2017年
DVDで鑑賞。ゾンビものは苦手だが面白そうなので見てみた。ゾンビ&🎵ミュージカルという大胆な合わせ技で、郊外の高校生活・青春の鬱屈・親との対立・若者の自立などなどがごった煮の如く投げ込まれている。
正統的なゾンビ映画やミュージカルファンは基準が高くなるので評判悪いようだが、どちらにもシロートな者には結構楽しめた。
ヒロインは幼馴染の子をいぢめるようなヤツを好きになるのか?と疑問を呈した人がいたが、私も同感である。
終盤のお父さんの歌には泣けました。(私もトシですかねえ)
しかし彼らはどこへ向かうのか。答えは風だけが知っているのであろうか。
クリスマス映画でもあるので、ぜひクリスマス時🎄に鑑賞をお勧めしたい。
どうでもいいけど、ステージで歌った子は宮沢りえに似てないか(^^?
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