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2020年4月 3日 (金)

「レイトショー」上・下巻

200403 著者:マイクル・コナリー
講談社文庫2020年

マイクル・コナリーの新刊は女性刑事レネイ・バラードを主人公に据えた新シリーズである。といっても、ボッシュがかつていたハリウッド署が舞台となっているので、そのうち共演があるようだ。

この女性刑事が超タフな人物である。市警本部の強盗殺人課でバリバリ働いていたが、上司のハラスメントを告発したら左遷されて分署の夜間勤務に回されてしまう。「レイトショー」とはその夜間勤務のことを指す。
自宅を持たず、勤務終了後に海岸でサーフィン(正しくは「パドル」?)をしてからなんと昼間の砂浜にテントを張って睡眠をとる。その間、愛犬がしっかり周囲を監視。仕事着のスーツは職場のロッカーに置いて着回し、シャワーも職場のを使用という徹底ぶりである。こりゃスゴイ。

夜間には空き巣から殺人まで大小の事件が様々に起こる。それを昼間の部署に渡すのが仕事だ。……のはずだが、性分として鼻を深く突っ込まずにはいられない。サスペンス的な展開はもちろんあるが、基本は警察小説であり地道な捜査が描かれる。
上司から「恐ろしい野良猫」と評される主人公の、まずは顔見世といった第一作だ。生命の危機に陥った彼女の反撃は見ものである。シリーズのこれからに大いに期待したい。

なお、最近指摘されることが多い「翻訳物の女言葉」問題のせいか、なるべくフラットな言い回しにしているもよう。訳者は健闘しているとは思いますが、終盤では力尽きて「だわ」が出てきてしまっているような……(^^;

それから文中に「ざっかけない」という言葉が出てきて驚いた(!o!) この世に生を受けて××年、今まで一度も耳にしたことのない言葉である。
調べると東京の下町で使われる方言だという。私σ(^_^;)も東京下町生まれなんですけど……狭い範囲で異なるんですかね。

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