【回顧レビュー】「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
出演:グスタフ・レオンハルト
西ドイツ・イタリア1967年
平常に戻るまで昔の公演を振り返るシリーズ。
コンサートではないがこんな映画のチラシが出てきた。言わずと知れたグスタフ・レオンハルトがバッハを演じた異色作だ。ケーテン公をアーノンクールがやってて二人で合奏の場面もある。
ドラマチックな表現を完全に消去した「伝記」(しかも演者の外見がモデルに全く似ていない)は衝撃であった。それまで多く作られてきた、そしてこの後もやはり多く作られ続けた「伝記映画」の概念を揺るがす一作と言えるだろう。
この時代のチラシとかプログラムはどれも不思議なことに年の記述がなくて月日しかない。ただ「バッハ生誕300年記念」とあるので1985年12月公開だと分かる。映画館は移転前のユーロスペースだった。
チラシの裏には高橋悠治が書いた紹介文が載っている。
映画自体の製作は60年代末だが、日本でストローブ&ユイレが紹介されたのはこの時が初めてらしい。
2003年にリバイバル上映されたのは知らなかった。今やればもっと古楽ファンが見に来るかもしれない。
なお、DVDが出ているがタイトルが「アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記」なのでご注意。
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