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2020年4月23日 (木)

映画落ち穂拾い 2019年後半その3

200423a「少女は夜明けに夢をみる」
監督:メヘルダード・オスコウイ
イラン2016年

イランの少女更生施設を取材したドキュメンタリーである。よくぞ許可を得られたものだ。日本だって難しい。撮れたとしても顔出しはできないだろう。
薬物売買、窃盗、家出、自傷、さらには殺人!--彼女たちは様々な理由で施設にいる。しかし、その根本は貧困やDVなど家庭内の不和のために追いやられたことにある。それが彼女たち自身の口から語られるのだった。

一見どこにでもいそうな女の子が、14歳で結婚させられ15歳で子どもを産んで今17歳--などシビアな状況ばかり。しかし施設にいる姿を見ると想像もできない。
とある子は施設を出る許可が出ても家族が迎えに来るか常に不安を抱く。カメラは彼女に寄り添い家族の迎えを一緒に待ち受ける。

よく彼女たちから本音を引き出せたなあと感心した。ただ構成にやや不器用な印象があって、そういう点で長く感じた
監督は既に同様の少年についての作品を二作撮っているそうなので、そちらも見たいもんである。


200423b「テルアビブ・オン・ファイア」
監督:サメフ・ゾアビ
出演:カイス・ナシェフ
ルクセンブルク・フランス・イスラエル・ベルギー2018年

パレスチナとイスラエルを文字通り股にかけたコメディ。映画のタイトルは劇中の人気TVメロドラマでもある。

主人公は脚本家志望(実績なし)のパレスチナ青年。親類の伝手でドラマの制作現場に潜り込み、成り行きで脚本を担当することになる。そこにイスラエルの検問所の司令官が、母親や妻のウケを狙って口を挟んでくる。そもそも検問所を通らないと家と職場を行き来できないという事情があるのだ。
若者はいい加減なヤツで若干イライラするが、ちゃんと成長して最後は立派な結末へ。お母さんもお喜びでしょう。

完全に喜劇ではあるが、登場人物のセリフにちょこちょこと過去の紛争や暴力の影がちらつく。なんとなく若い世代の「紛争疲れ」も感じさせる内容だ。
そうなると、永遠に続く連続TVドラマシリーズとは終わりが見えぬパレスチナ問題を暗に示しているのだろうか……なんて思ったりして。

なおドラマの主演女優はフランス人という設定だが、イザベル・ユペールっぽくないか?


「パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー) 」
監督:ブライアン・ヘンソン
出演:メリッサ・マッカーシー
米国2019年

DVD鑑賞。米国公開時に散々な評価で完全にコケてしまい日本未公開となったコメディである。
悪評は承知の上で見たが、なるほどこれが噂に違わず💥というヤツだろうか。ハードボイルド風サスペンスを気取っているが、下ネタ満載のギャグがことごとく面白くない。

物語の背景の設定として、人形のパペットたちと人間が共存している世界になっている。同じ職業に就き結婚もできるのだ。(子どもとかどうなるの?)
そんな中で連続殺人(殺パペット)が起こり、元刑事の探偵である主人公が巻き込まれるという次第。

主人公を含めてパペットたちのキャラクターがつまらないのがどうしようもない。相棒に扮するメリッサ・マッカーシー(もちろん人間役)がいてかろうじて見られる。
元女房役のエリザベス・バンクスもよく出演したものよと見てて思ってしまった。自分の作りたい映画の資金稼ぎかしらん。

監督のブライアン・ヘンソンはジム・ヘンソンの息子で過去にマペット物を撮っていたはずだが、「マペット」を使用していないということは商標登録でもされてるのかな。

「パペット大捜査線」でデータベース検索しても出てこなくて変だなあと思ってたら「大騒査線」だった。紛らわしい~(>O<)
邦題の「紫影」の意味が終盤に分かるが……ムムム。良い子には見せられませんね(^^)b
無謀さに挑戦したい人かM・マッカーシーのファン向け限定。

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