【回顧レビュー】「マドリガル・コメディ」
第11回〈東京の夏〉音楽祭
会場:パナソニック・グローブ座
1995年7月8~12日
音楽祭のテーマは「笑いのかたち」で古楽部門はクレマン・ジャヌカン・アンサンブルのメンバーの公演が中心だった。
このステージは、上演形態はヴェッキ、バンキエリなど複数の作曲家の作品をつなぎ合わせ仮面音楽劇として再現したもので、A・メロンを含むECJの歌手たちに加え器楽奏者、俳優、ダンサー、アクロバットも参加する大掛かりなものだった。これを4回上演したのである。
主人公の道化役はD・ヴィスが非常に張り切って飛び回り演じ歌っていた。この手のジャンルのバカバカしさと猥雑さがいかんなく発揮されていたと記憶している。
これ以外にECJによるルネサンス歌曲、メロンのソロ公演、さらに石橋メモリアルホールでのヴィス単独(これも聞きに行った)があった。
歌詞カードが残ってなくて間違って捨てちゃったのかしらんと焦ったが、この当時には珍しい字幕付き上演だった。
こういうドタバタした笑いはいつの時代も民衆に必要とされるが、歴史をさかのぼって金をかけてわざわざ再現することは少ない(そもそも困難か)。その意味では貴重な機会だった。
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