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2020年6月14日 (日)

映画落ち穂拾い 2020年前半その1

「モンスターズ 悪魔の復讐」
監督:クレイグ・ウィリアム・マクニール
出演:クロエ・セヴィニー、クリステン・スチュワート
米国2018年

DVD鑑賞。邦題がアレな感じだが19世紀末米国で起こった有名なリジー・ボーデン事件を題材とした映画(原題は『リジー』)。猟奇犯罪ものなのか!!と思って見ると大違い。ジワジワと家族殺人という犯罪に追い詰められていく女たちを、あくまでも静かに美しい映像と音楽で描くのだった。

そのためか緊張の盛り上げ方が今一つだった。それと描きたいものが旧弊な地域社会に抑圧される女たちの反撃なのか、父権的な狭い家族関係で追い詰められた心理なのか分からない。どちらにしても不十分な印象だった。
一方、殺害シーンは非常にリキが入っているので見てておののいちゃう💦 おまけに全裸だし……こっちまで緊張。
それから、なんとチラシやパッケージに使われている場面は作中には存在しない! 適当にコラージュしたな~(`´メ)

クロエ・セヴィニーは実物のリジーに似せているらしい。
メイド役のクリステン・スチュワートははかなげで可憐な美しさ。ファンは必見ですね(^^)
父親役はどこかで見たような……と思ったらドラマ『ロー&オーダー クリミナル・インテント』の上司であった。

なお、同じ事件を2014年にクリスティーナ・リッチ主演でTVムービー化したらしい。こちらのタイトルも『モンスター』(原題も?)だと。なんとかしてほしい。


200613「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」
監督:レジス・ロワンサル
出演:ランベール・ウィルソン
フランス・ベルギー2019年

えーと(^^;;;これって書物をめぐるトンデモミステリですか?なんて思っちゃった。
ベストセラー確実という小説が流出しないように各国の翻訳家を集めて訳させる、という前半はいいんだけど。後半の展開を見るとコメディにした方がよかったのではないかと言いたくなるぐらいに突飛である。見ててえええ~っ❗とびっくりした。
フランス映画でミステリものってこういう感じだよなと思い出した。

『薔薇の名前』に比べられるような格調高く難解な推理小説を、あのノルマで訳すのは難しいのではないか。昔懐かしい「超訳」を思い浮かべたりして。超訳も「一日××ページ」でやってたに違いない。

後半は編集がまずいのか、時系列がこんがらかってスッキリしなかった。老化脳の人は追いつけないのでDVDで確認しながら見るといいかも。ただもう一度見直す気力はない。

翻訳家9人の中に日本が入っていなかったのは残念である。20年以上前の海外ミステリブームの時代なら入ってただろう。
その代わり、コピー機をホメられた(*^^)v 日本製スゴイのだ💥

この感想で、ネットに接続できなければ訳せないだろうというのを幾つか見かけたけど、ネットの存在しない時代もちゃんと翻訳書は出ていたんだから、そんなことはないだろう。
作者に質問する場合はファックスを送る、その前の時代は手紙だよね。


「ディリリとパリの時間旅行」
監督:ミッシェル・オスロ
声の出演:プリュネル・シャルル=アンブロン
フランス・ベルギー・ドイツ2018年

アニメ作品をDVD鑑賞。ベル・エポックの時代、ニューカレドニアからパリにやって来た溌溂とした少女が配達員の若者と共に「男性支配団」の陰謀に挑む。
男性支配団は街の至る所で少女誘拐事件を起こしている極悪集団だ。だが警察の対応はよくない。自分たちで謎を解き明かさなくちゃね。

写真のようなリアルな当時のパリの街並みを背景に鮮やかな色彩のアニメの人物が駆け抜ける。日本の商業アニメにはないきわめて個性的な映像である。(監督は『キリクと魔女』の人)
パリの観光名所はもれなく登場、人物は当時の文化人知識人ばかり。ロートレック、ピカソ、エッフェル、プルースト、サラ・ベルナールなどなど数えきれない。

キラキラ光る飛行船が美しい。ファンタジー風の楽しい冒険物語--のはずなのだが、ワルモノどものアジトは思いがけず暗くてコワイよ~(>y<;) 夢に出てきそう。少女誘拐して何をさせているかというと……💢(気分悪し)
私も誓いたい(*`ε´*)ノ☆打倒・男性支配団!
日本語版テーマ曲を大貫妙子に作って歌ってほしいぞ🎵


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